128組の親子データが示す痛みの認識における父母の違い
子どもの痛みに対して親はどう反応すべきか。過度な心配や不安はかえって症状を悪化させる可能性があります。特に母親と父親では、痛みに対する認識や対応に違いがあるのでしょうか。親の「破局的思考」の性差に焦点を当て、適切な対応について最新の研究から考察します。
週の真ん中水曜日の江原です。前回に引き続きまして、Parental catastrophizing子どもの痛みに対する親の破局的思考について書きたいと思います。
前回は親の破局的思考が小児慢性疼痛患者の行動に与える影響についてまとめ、そこから子どもの痛みにどう向き合ったらよいかについて意見を述べてみました。
本日は両親の破局的思考における父と母との差についてです。ステレオタイプ的な見方では女性の方が共感してくれそうだし、お父さんは無関心そうですが…。
破局的思考に父と母で違いはあるのか
小児慢性疼痛における親の破局的思考では、一貫して疼痛強度の増大や身体障害と正の相関があるとわかっており、子どもの痛み経験や行動に大きく影響する可能性があります。
また前回記事のように、自分自身の痛みについて破局的思考を持つと同様に、親が持つ破局的思考も子どもの痛みにフォーカスされるようになります。
興味深いことに父親の破局的思考が子供も痛みにどのように関係するかのデータは少なく、慢性疼痛における臨床上の性差でもある破局的思考は、親の立場になっても父親よりも母親の方が破局的思考は強くなる結果を示す研究があります1)。
研究仮説
父親の破局的思考は母親に比較し低いため、父親の破局的思考が与える子供への影響は少ないのではないか。そんな仮説を検証した小児慢性疼痛の研究を見てみます2)。
128組の親子が語る「痛み」への認識のリアルなデータ
2008年9月~2009年2月に小児疼痛専門クリニックに通院した8~17歳の慢性疼痛を持つ子どもとその両親128組を対象とした研究です、
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