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インタビュー178回:宮森 達夫 先生 理学療法士(PT)  ~東京リハビリテーション専門学校 学校長~ 最終回

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ドイツで感じた“物に対する考え方”の違い

宮森先生1

 

———先生はドイツに行かれた経験があると伺ったのですが、どのような事を学びに行ったのですか?

 

宮森先生1985年に小さな新聞記事を見て、ヨーロッパ最大の福祉機器の見本市がドイツで行われるのを知り、そのツアーに自腹で参加しました。

 

見て驚いたことは、車椅子が機能というよりもファッションになっていたことです。車いすのボディカラーがレインボーで空中に並べられていたり、フィンガープロテクターが何十枚と壁面に展示されていました。

 

スポーツタイプのようなカッコいい車椅子もありました。「凄いなぁ、先進国はやっぱり違うねぇ」と感動しましたよ。

 

日本だと福祉用具のカテゴリーは、日用品とか移動とかでまとめていますよね。

 

その展示では「Disabled mother」って書いてあったんです。サリドマイドのお母さんが、足で子供を育てるときの抱っこひもがあったんです。つまり、子育てをするための補助用具とか、手が不自由な人のガーデニングのための補助用具などがあったんです。

 

アルファロメオのコーナーでは脊髄損傷の人のレーシングカーがありましたよ。

 

最初「レースで脊損になったんじゃない?」と思ったりして。でも、それに付けられていたパドルシフトもスポーツカーだったら今じゃ普通にありますよね。

 

目的が生活場面で分けられているんです。日本とドイツとでは物に対する考えが違いました。目的をまず決めて、それに対して展示をしてるんですよ。デザインもすごくきれいでしたしね。

 

最初は感動して1日目、2日目と見ていたんですが、だんだん虚しくなるんです。「日本はダメだねー」って。

 

3日目の午前中、もう見るのはやめました。福祉の進歩はすごいなと思い、日本は福祉用品も制度もまだまだ整ってないなと感じて、自分も何かやらなきゃと思いました。

 

嘆いていてもどうしようもないですからね。

 

新しい良いものを見た時に、驚いて、喜んで、悲しくなって、チャレンジしようと思いました。

車椅子

 

 

先生にとってプロフェッショナルとは?

 

理学療法士として考えると予測、イマジネーションですかね。

 

生活像や将来の暮らしに対して可能性をイメージして仕事が出来るようになった人がプロだと思います。

 

理学療法に限らず、さまざまな仕事をしている方と出会って感じたのは、チャレンジ精神、博打というほどではないんですが、

仕事に対する想い入れ、普通の人だと途中で根を上げるところを逆に楽しんでいる人が本物だと感じます。

 

 

別な言い方をすれば、その人にしかわからない世界を持っていて、ルーティンなものをもっている人はプロな感じがしますよね。

 

自分で実践していて、そのために何かを捨てているような人たちね。

 

そうは言っても自分はいつまで経ってもだめだから、そうした人にあこがれているだけなんですけどね。(笑)

 

 

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    •   *目次

 

 

宮森 達夫先生経歴

1980年 専修学校 社会医学技術学院 理学療法学科 卒業

1980年 理学療法士免許

1977年3月~1990年3月 社会福祉法人博仁会

 特別養護老人ホーム なぎさ和楽苑及びケアセンター勤務

1990年3月~1998年3月 株式会社 福祉開発研究所(一級建築士事務所)

 企画部 室長 ~ 研究調査部 部長

1998年4月~2000年11月 独立し、有限会社福祉計画を営む

2000年12月~2004年3月  社会福祉法人 ウエルス東京

 特別養護老人ホーム ウエル江戸川  施設長

2004年4月  日立製作所グループ 株式会社日京クリエイト 入社

2004年9月  日立製作所グループ 有料老人ホーム サンクリエ本郷 副支配人

 *2015年 (株)日立ビルシステムから(株)リゾートトラストに買収

2011年8月 定年退職

2012年1月 学校法人アゼリー学園 入職

2013年4月 東京リハビリテーション専門学校 学校長 現在に至る

 

【著書(共著)】

 

 

シリーズ現代の病 (6)
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河野 友信
医学書院

 

他多数。

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