理学療法士を目指したきっかけ
ーーー澤先生が理学療法士になったきっかけを教えていただけますか?
澤先生:きっかけは、祖父が脊髄損傷になったことです。
当時私は、小学校1年生でしたが、祖父のリハビリテーションのため、訪問で理学療法士の方に来ていただいておりました。そこではじめて、理学療法士という仕事を知りました。
長く患者さんと関わりたいと思い、理学療法士の道を選択しました。
周りからは、いろいろとアドバイスがありましたけど、とにかく「理学療法士になりたい」と強く願っていたので、最終的には自分で決めました。
企業に就職しようと思った理由
ーーーなぜ新卒から、病院などの医療機関ではなく企業(J−Workout:脊髄損傷者専門トレーニングセンター)で働こうと思ったのですか?
澤先生:「ここに就職する」と決めたのは大学2年生のときです。
最初は、脊損センターに勤めようと考えていましたが、ある日「夢の扉」という番組で今の職場が取り上げられているのを、母から聞きました。
その後、YOUTUBEで番組を見て、その時の直感でここに就職することを決めました。
当然、周りからは「最初は病院での勤務がいいのでは?」と、アドバイスされましたが、私の意志は固く、この道に進むことを選択しました。
信頼関係を築くためには
ーーー就職してみて、苦労した経験などあれば教えてください。
澤先生:苦労したというよりは、「もっと頑張らなくては」と思った経験は沢山あります。
最初の頃は、トレーナーではなくアシスタントからのスタートなのですが、クライアントさんから「ほかのスタッフと比べてここが劣っている」と言われることがありました。
確かに、「自分が同じ立場で、同じお金を払うなら、できるだけ技術の優れた人にしてほしい」と思いますよね。
これも苦労というか、難しいと感じたことは、言葉の選択ですね。
ここのクライアントさんは、大人もいますが、小さな子ももちろんいます。
小さい子ですと、“させられてる”という意識が強いので、楽しくないと続けてもらえないんです。
楽しませながら、効果を出すという難しさがあります。
更に親御さんに理解をしてもらいながら、効果を実感して頂く必要があります。
どのように説明したら親子共に理解してもらえるかを常に考えています。
大人の方は、またそれで難しい部分があるのですが、やはりどちらも言葉のチョイスに難しさを感じます
障害受容をされている方が大半ではあるのですが、まだされていない方ももちろんいます。
私なりの工夫としては、小さい成功体験を沢山経験してもらうということです。
その中で、「できない」を「できる」に少しずつ変えていく。
ほとんどが慢性期のクライアントで、今日トレーニングを始めたからといって明日歩けるようになるわけではありません。
病院とは異なり、数年単位で長くクライアントさんと関わるので、クライアントさんとの信頼関係を築き上げることが、一番重要なポイントですね。
先輩たちからのアドバイスでも「信頼関係」ということを一番聞きます。
*目次
【第1回】出来ないを出来るに変える
【第2回】限界を作らず可能性を広げること
澤先生経歴
2012年 3月 長崎大学医学部保健学科理学療法学専攻卒業
2012年 4月 J-Workout株式会社 入社
j-workoutホームページ