【中村尚人先生講演】側弯症に対する理学療法-腰痛予防を含めた戦略-はこちら
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中村先生 僕は、健康ブームという言葉がありますが、「流行らせたい」というより「当たり前にしたい」と思っています。 私の中では、「当たり前ではないこと」を「当たり前」にすることをモチベーションにしています。 今は側弯症トレーナー養成講座というのをやっていますが、それも経過観察という名で放置されている側弯症の方々に対して、運動療法という選択肢を当たり前にしていきたいと思っているからです。 側弯症は、調べれば調べるほど診断も治療も曖昧なんだということが分かります。「ほとんどが特発性」と書いてありますが、そんなわけない。習慣性の方も多いです。 ご本人や親御さん大変悩まれるのに、医療側は遺伝でしょうがないしすることは手術以外にないという決まり文句で思考停止に陥っています。 そういう無責任でいい加減な現状に怒りを覚えます。 現状の医療の矛盾や未成熟な部分に対して、一般の方々の障害予防を担う専門家として予防運動アドバイザーという制度も作りました。 まだまだ課題はありますが、当たり前ではないことを当たり前にするために模索している段階です。 ー (TAKT EIGHTの)本棚には、ヒトの進化の本がたくさん並んでありますね。 中村先生 進化学には、「骨がなぜその形態をしているのか」、「なぜ脊椎疾患が多いか」、「前捻角や頚体角がなぜあるのか」といった様々な身体のヒントが隠されています。 進化が分かってくると、疾患予防に何が必要かが分かってきます。当然、理学療法士も勉強した方がいい分野だと思っています。 ー 先生がはじめヒトの進化に着目したキッカケは? 中村先生 保存療法の患者さんを診ていると後療法と異なり、正常からの逸脱ですから、正常といういわゆる「どんな姿勢が正しいのか」や、「どのような形態をしているのが正しいのか」が自信を持って指導できていないことに気がついたのです。 病気というのは正常からずれた状態で、そこから正常に戻そうとするのが我々の役割だと思っています。 となると、どういう身体の使い方が正しくて、どういう使い方が間違っているというのを言えなければいけません。 「正しい歩き方とは?姿勢のニュートラルとは?」と聞かれとき、あなたは答えられますか? 私が進化に行き着いたのはそこで、日本人類学会の会員になったのでそのうち人類学として学会発表とかもしていきたいと思っています。 ― 今後やろうとしていることに関して教えてください。 中村先生 今は新たに姿勢・歩行改善専門のジムを作ろうと考えています。 カーブスという女性限定で、月に何回も来られる定額制の体操教室が流行っていますが、分かりやすくて視点がいいですよね。 例えば私が考案したファンクショナルローラーピラティスの資格を取得した人を配置して、運動をして良くなった点をしっかり教えてあげられるような場所になるといいなと思っています。 利用者としても的確な評価とエクササイズの定期的な結果を教えてもらえると運動に対するモチベーションが上がりますよね。 ― ファンクショナルローラーピラティスは、今どれくらいの頻度でやっているんですか? 中村先生 毎月、全国のどこかで開催されています。現段階で指導者養成コースが開催できるマスター30名ほどいます。今後もどんどん増やしていきたいと思っています。 「姿勢から全てが始まります」ということをもっと伝えていきたいです。 ー 先生のオススメの本を教えてください。 ― 先生にとってのプロフェッショナルとはなんですか? 中村先生 探求し尽くすことはできませんが、妥協せず探求し尽くそうとする姿勢がプロだと思います。 【中村尚人先生講演】側弯症に対する理学療法-腰痛予防を含めた戦略-はこちら >> https://1post.jp/4124
株式会社P3 代表取締役 身体と心の運動に取り組み、予防医学の実現を目指すヨガ講師 理学療法士として医療・介護分野にて臨床経験を積む中で、病気になってからよりも、病気にならないようにする事の重要性に気付き、予防医学の実現のためにヨガとピラティスのスタジオを立ち上げる。自らまとめ上げたピラティスメソッドやウォーキング法の指導者育成をはじめ、執筆活動、各種講演、日々の運動指導に携わる。側弯症はほとんどが特発性?
進化論
姿勢から全てが始まる
中村尚人先生 プロフィール