理学療法士免許を取得し、10年が経過しました。
10年前、まさか自分が海外で仕事をするとは全く考えていませんでした。
途上国で働くことに最初に興味を持ったのは、大学2年生の時、国際協力機構(Japan International Cooperation Agency:JICA)の青年海外協力隊募集のポスターを駅で見かけたのが最初でした。
ポスターに記載のあった募集説明会に参加すると、青年海外協力隊として活動し、帰国された理学療法士の方の話を聞くことが出来ました。そこで初めて、自分の専攻している分野でも、海外で活躍出来るのだと知りました。
しかし当時は、それ以上のアクションは起こさず、大学の授業や学外実習に専念し、国家試験を受験し、そのまま日本の病院に就職しました。
最初に働いたリハビリテーションセンターでは、臨床、研究、学生指導と、色々な事を経験させて頂きました。様々な経験の一つに、海外での学会発表もありました。
この仕事として海外へ行った経験は、旅行ではなく、海外で仕事や研究活動を長期的に行ってみたいという、私の憧れを強くしました。
Photo:World Stroke Congressの看板
さらに、長期休暇でベトナムのスタディツアーに参加した事は、開発途上国へ目を向けるきっかけとなりました。
Photo:ベトナムの孤児院で子ども達と料理を一緒に食べる
HIVに感染した子ども達が暮らす孤児院での彼らとの出会いでは、身振りを交えて交流し、言葉がわからなくても思いは伝わることを体感しました。
ボランティア活動では、子ども達と遊んだり、日本文化紹介をしたり、日本料理を振る舞ったりしました。地元の方が暮らす地区にも訪問し、観光地と村落では生活水準、インフラ整備など、貧富の差があることを知りました。
そんな中でも、子ども達の笑顔は輝いていたことを今でも思い出します。
このような経験を通し、開発途上国で働いてみたいという思いが強くなっていきました。そして、就職してから4年目の時、青年海外協力隊へ参加しようと決意し、受験をしました。派遣は、南米のコロンビア共和国でした。
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