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【イラスト】脊柱起立筋群の起始・停止からストレッチ、筋トレ

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A さん
脊柱起立筋って総称だということはわかったんですが、一体いくつの筋肉に分類できるんですか?
ジンタイモ・K
分かりやすくまとめると腸肋筋・最長筋・棘筋の3つからなります。
A さん
そんなシンプルなんですか?
ジンタイモ・K
さらに分類すると、それぞれの分類をさらに3種全部で9種に分類できるんです。細かくみていきましょう。

 

脊柱起立筋群の起始・停止、支配神経を確認

 

伸筋としても知られている脊柱起立筋は、背中の深い筋肉で構成されています。それは横突棘筋群の表面にあり、背筋の中間群(上後鋸筋)の深部にあります。脊柱起立筋は3つの筋肉で形成されており、その線維は腰椎、胸椎、頸椎の領域全体にほぼ垂直に走っています。

 

脊柱起立筋を構成する筋:

・棘筋

・最長筋

・腸肋筋

 

棘筋の分類

起始

頭棘筋:C1-7横突起

頸棘筋:C6-Th2横突起

胸棘筋:Th10-L2横突起

停止

頭棘筋大後頭孔

頸棘筋:C2-4棘突起

胸棘筋:Th2-9棘突起

支配神経

脊髄神経後枝

髄節

頭棘筋:C1-Th6,7

頸棘筋、胸棘筋:C2-Th10

作用

頭棘筋:頚椎伸展、同側屈、対回旋

頸棘筋:頚椎伸展、同側屈

胸棘筋:胸・腰椎伸展、同側屈

英語

頭棘筋Spinalis capitis muscle

頸棘筋Spinalis cervicis muscle

胸棘筋Spinalis thoracis muscle

最長筋の分類

起始

頭最長筋:C5-Th3,4,5横突起

頸最長筋:Th1-6横突起

胸最長筋:仙骨、腰椎棘突起・下位横突起

停止

頭最長筋:乳様突起

頸最長筋:C2-6横突起後結節

胸最長筋:内側(胸椎横突起)外側(腰椎肋骨突起、肋骨、胸腰筋膜)

支配神経

脊髄神経後枝

髄節

全てC2-L5

作用

頭最長筋:頚伸展、同側屈、同回旋

頸最長筋:頚椎伸展、同側屈、胸椎伸展

胸最長筋:胸・腰椎伸展、同側屈

英語

頭最長筋Longissimus capitis muscle

頸最長筋Longissimus cervicis muscle

胸最長筋Longissimus thoracis muscle

腸肋筋の分類

起始

頸腸肋筋:R3-6,7肋骨角

胸腸肋筋:R7-12

腰腸肋筋:腸骨稜外唇、仙骨、胸腰筋膜

停止

頸腸肋筋:C4-6横突起後結節

胸腸肋筋:R1-6

腰腸肋筋:R6-12後面

支配神経

脊髄神経後枝

髄節

全てC4-L3

作用

頸腸肋筋:頚椎伸展、同側屈

胸腸肋筋:胸椎伸展、同側屈

腰腸肋筋:胸・腰椎伸展、同側屈

英語

頸腸肋筋:Iliocostalis cervicis muscle

胸腸肋筋:Iliocostalis thoracis muscle

腰腸肋筋:Iliocostalis lumborum muscle

脊髄神経の前枝と後枝

脊柱起立筋を理解する上で大切なことは、固有背筋群の分類です。何が“固有”なのかというと、脊髄神経後枝に支配されるためです。一方、脊髄神経前枝では、身体の前面、側面、四肢や皮膚を支配します。

 

これらは、頚神経叢(C1-C4)腕神経叢(C5-T1)腰神経叢(T12-L4)仙骨神経叢(L4-S3)陰部神経叢(S2-S4)をそれぞれ形成します(肋間神経も脊髄神経前枝)。広背筋等も背部にある筋肉ですが、脊髄神経前枝にあたる腕神経叢に支配されているため、固有背筋群には分類されません。

 

さらに、脊髄神経後枝は外側枝から支配される外側系と、内側枝に支配される内側系に分けることができます。形態学的に、腸肋筋・最長筋は外側系、棘筋は内側系に分別されます。

 

背部の筋(浅背筋/深背筋)

浅背筋

第一(浅)層:僧帽筋、広背筋

第二(深)層:肩甲挙筋、大・小菱形筋

 

深背筋

第一(浅)層:上・下後鋸筋

第二(深)層:固有背筋群(深層:回旋筋、横突間筋、棘間筋、中間:半棘筋、多裂筋、肋骨挙筋、浅層:腸肋筋、最長筋、棘筋(脊柱起立筋))後頭下筋、板状筋

     

腰の痛みと脊柱起立筋の関係

屈曲弛緩現象(Flexion Relaxation Phenomenon; 以下FRP)

FRPとは健常人における、前屈動作時の最終域においてみられる脊柱起立筋の筋活動が消失する現象のことを言います。さらに、腰痛患者においてこのFRPが認められず、脊柱起立筋の持続的筋活動みられる報告が日本においても海外においても報告されています。

 

これに対して、多裂筋に対するトレーニングや腰椎安定化運動1)や筋膜リリース2)の効果が報告されています。具体的な運動方法に関しては、このストレッチ・筋トレで触れたいと思います。

 

脊柱起立筋の筋トレ

自重

①下図の通り、腹臥位の状態で上下肢を伸展します。この状態をキープです。

②痛みやキープが難しい場合、上肢はお休みし下肢のみ行いましょう。

*上記方法で、下肢はお休みし上肢のみを行っても良いです。

③注意点としては、肩甲骨を挙上しないことです。

④30秒を1セットとして3セット行いましょう。

バーベル:デッドリフト

①下図のようにバーがない場合は、水の入ったペッドボトルや袋に砂を詰めた重りでも大丈夫です。

②開始姿勢は膝を軽く曲げ、お尻を後ろに突き出した状態で重りを持ちます。

③この状態から立ち上がるのですが、腕の力で重りを持ち上げる必要はありません。

④10回を1セットとして3セット行いましょう。

*)トレーニングは重さで決まるのではなく、重さと回数の総重量で決まります。つまり、50kgを1回持ち上げるのと、10kgを5回持ち上げるのではトレーニング効果が同じです。怪我予防のためには、少ない不可で多い回数行うほうが安全です。

*)負荷量は徐々に増やしていきましょう。重りの目安は、10回ギリギリ持ち上げられる重さ(10RM)が理想です。

 

脊柱起立筋のストレッチ

①仰向けに寝て膝を抱えます。

②抱えた膝をお腹近ずけて行きます。この状態で背中にストレッチ感があればOKです。

③もし不十分な場合、この状態から膝を伸ばして足を頭の方まで伸ばしてみましょう。

④頭の方に伸ばす場合、手は腰を支えると行いやすいです。

⑤30秒伸ばし続けるストレッチを3セット(約1分半)行いましょう。

*どのストレッチも基本週3回以上行えば、効果が期待できますので無理なく続けられるように行いましょう。

 

参考文献

1)Park SS, Choi BR. Effects of lumbar stabilization exercises on the flexion-relaxation phenomenon of the erector spinae.Journal of physical therapy science. 2016;28(6):1709-11.

2)Arguisuelas MD, Lison JF, Domenech-Fernandez J, Martinez-Hurtado I, Coloma PS, Sanchez-Zuriaga D. Effects of myofascial release in erector spinae myoelectric activity and lumbar spine kinematics in non-specific chronic low back pain: randomized controlled trial. Clinical Biomechanics. 2019 Mar 1;63:27-33.

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32685062/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28194659/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16226632/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27430435/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19362230/

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1365926/

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18344865/

【イラスト】脊柱起立筋群の起始・停止からストレッチ、筋トレ

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