【9/28】小川さんによるワークショップ開催決定!「自走する地域コミュニティーの築き方」講座は
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ー 何か活動を始める時に小川先生が意識していることってありますか?
小川先生 「なぜやるのか?」っていうことをすごく意識していますね。 どういう意義をもってやるのかを明確にして、それを一緒にやる人にも伝えることを意識しています。
例えば「旅行に行きたいから行く」ではなく、目的があってその目的地に行きたいから旅行するわけです。
PDcafeも「パーキンソン病の方の運動教室をやりたい」ではなく、パーキンソン病の方が 置かれている現状がこうで、その解決策として行うんだということをみんなに伝えています。
思いを伝えて、それに共感してくれて、手伝ってくれる人が自然と増えていったんだと思 っています。
そのためには当事者の声にしっかり耳を傾けて、本当に問題なのは何なのか考えることが 大切なんだと思います。
リハビリの概念を介護職に広める
― 「変わる!介護」という団体はどんな活動をしているんですか?
小川先生 介護職の方にリハビリの考え方を広めて、介護現場でもよくなるケアができる ように支援をしています。
病院では、患者さんがよくなって退院してもしばらくして再入院するという無限ループを 繰り返している現状を目の当たりにしました。
ケアマネージャーから「どういうリハビリをやればいいですか」と相談されたり、リハビ リの見学に来てくれたりしてる時に、患者さんに普段から関わっている介護職の方がリハビリの知識を持って介護してくれればただ支えるだけのケアではなく、状態が良くなるケ アができると思いました。
ちょうど、同じ志を持った森さんとも出会って意気投合し、団体を立ち上げ、活動するこ とになりました。
活動をしていて思うのが本当に介護職からのニーズが強いなと感じています。
介護職の方も本当はもっとよくできるのに分からないから悶々と仕事をしているのかもしれません。
リハビリテーションの本質
ー 小川さんは他職種とうまくコラボしながら活動を進めていってますね。
小川先生 一人の患者さんをよくしたいと思ったときに、同職種だけで解決策を考えると やっぱり選択肢が限られてしまいます。医療職種以外の人とコラボすることでそのパターンは無限に広がると思っています。
例えば服飾関係の人とコラボすると、洋服の編み方を変えるだけで障害があっても着やす い服が作れるようになります。よく転倒してしまう人は膝に穴が開きやすいので履いているズボンと同じ素材のサポーター を作ったりすることをしています。
建築関係の人とコラボすると、「車椅子に乗っていて机の高さが合わない」ってなった時 に、作ってしまえばいいという選択も取れるようになります。
患者さんの声を聞いて、他職種を巻き込んで、プロジェクトを進められるのは身体機能や 動作をより詳しく見て伝えられる理学療法士の強みだと思います。
そして、これがリハビリテーションの本質なのだと思っています。
ー どうしても療法士が開業となると「整体院」や「サロン」というイメージがあります が、小川先生は新しい保険外サービスをどんどん作って社会を変えていっていますね。
小川先生 そんな大層なことをしているわけではありませんよ(笑)自分がやってて楽し いことをやっているだけです。ただ、保険外のサービスは確実に大事です。
保険外サービスと保険内のサービスでどうしても隔たりというか別々で捉えられてしまっ ている気がしています。
でもそれだと、やっぱりうまくいかなくて、両方のサービスをうまく活用しながらリハビ リテーションを進めていくといいと思っています。
障害の当事者の方たちも保険外サービスをすごく求めています。
PDcafeにもすごい問い合わせが来るんですよ。「リハビリ受けられないんですけど、どう したらいいですか」と。
パーキンソン病の初期の人だとリハビリが受けれないケースがあります。 そういう”制度の隙間”に落ちてしまっているような人が世の中にはたくさんいます。
それを保険内で無理矢理まかなおうとするのではなく、保険外サービスをうまく利用しな がら連携できればいいのにと思っています。
― 小川先生にとってのプロフェッショナルとは?
小川先生 多くの人と一緒に歩める人です。
【9/28】小川さんによるワークショップ開催決定!「自走する地域コミュニティーの築き方」講座は
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【目次】
第一回:寄本イズム
第二回:障害=不幸?
第三回:ゼロイチ。当事者の声をカタチに
小川先生オススメの書籍
小川順也先生 プロフィール
2011-2015 国立精神・神経医療研究センター病院
2015- 一般社団法人 変わる!介護 理事
2017- 合同会社 Smile Space 共同代表
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