日本慢性期医療協会武久洋三会長は、1月11日の定期記者会見で、リハビリスタッフの配置が多い回復期リハビリ病院などから、高度急性期病院にリハビリスタッフを派遣することなどを認めてはどうかと提言を行った。
▶︎ メディ・ウォッチ|回復期リハ病棟のリハ専門職を急性期病棟に派遣し、早期リハを目指せ
「高度急性期病院・急性期病院」ではリハビリ専門職が1人で何十人も患者さんを担当することが多く、1単位でリハビリを提供しながら周っていくところが多い。
それに対し、回復期では1日最大6単位介入することができ、手厚いリハビリが受けられる。
高度急性期病院や急性期病院では、医療的処置の高い患者さんにリハビリを1日に数単位も介入することがリスクが高い方も多いが、一方で活動レベルが高くリハビリを必要としている患者さんも多い。
厚生労働省の調査(2016年度)では、7対1・10対1病棟を持つ病院の、わずか4.5%しかADL維持向上等体制加算を届け出ていないのが現状だ。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000184197.pdf
また、当然基礎傷病からの回復が遅ければリハビリ専門職のいる回復期リハビリ病棟や療養病棟などへの転院・転床も難しくなる。
そこで、武久会長は❶リハビリ専門職が十分にいる病院から、急性期病院への「派遣リハビリ」を認める、❷当該急性期病院で「派遣リハビリ」点数(疾患別リハビリ料と同水準)の算定を可能とする、❸リハビリ専門医が、急性期病院に「往診」を行うことを認めることを提言した。