福祉住環境、あなたはどこをみていますか?
-問題点!-
訪問セラピストは回復期病院や老人保健施設のセラピスト以上に、環境調整に関わる機会が多くあります。その中でどこを調整すれば良いか、具体的な指標を知らないまま工務店やケアマネージャーにお任せしてしまう機会もあるのではないしょうか?
-そこで-
今回は日本の住宅の問題点や、今後の調整に活かすための基本をお伝えします!
住宅の問題がわかれば対策がわかります。
まず、いま住んでいる日本の住宅の問題点はなんだと思いますか?
日本の住宅
①暑さや湿度対策のため、夏は涼しく冬は寒い構造
②「床座」を基本とした和式の生活様式
③尺貫法などに影響を受けた狭い間取りと段差がある
上記の問題点は、
- ⇒ 床面が地面から40cm上がっていることにより玄関に段差が生じる
- ⇒ 床上動作が基本となる
- ⇒ 車椅子で扉を通るには狭い点と、敷居の段差が障害になる点 が挙げられる
それらを改善するためには環境調整が行われますが、高齢者に住みやすい住宅の環境調整として2つ挙げられます。
それは、バリアフリーと住宅改修です。
バリアフリーと住宅改修との違いは何だと思いますか?
高齢者が居住する住宅の設計に係る指針
第1 趣旨
この指針は、高齢者が居住する住宅において、加齢等に伴って身体の機能の低下が生じた場合にも、高齢者がそのまま住み続けることができるよう、一般的な住宅の設計上の配慮事項を示すものであり、現に特定の身体機能の低下や障害が生じている居住者のために個別に配慮する際には、当該居住者の状況に応じ、この指針に示すもの以外の設計上の工夫を行う必要がある場合がある。
また、この指針は、高齢者の居住する住宅及び屋外部分が、高齢者の移動等(略)に伴う転倒、転落等の防止のための基本的な措置又は介助が必要となった場合を想定し、介助用車いす使用者が基本生活行為(略)を行うことを容易にするための基本的な措置を確保するために必要な事項を示すものとする
(○国土交通省告示第千三百一号より)
つまり、
<バリアフリーとは・・・>
『現在は健常であり高齢化に伴う様々なリスクに対し予防的に対応している住宅』
→特定の機能障害に対応出来ない場合も
~一般的に利用可能で、誰にでもそれなりに対応~
<住宅改修とは・・・>
『身体機能に障害を抱え、要介護状態にある高齢者の自立や介護負担の軽減を目指す住宅』→生活支援のための住環境整備
~その人の為に、高い個別性で対応できる~
介護保険を利用した環境調整
介護保険を利用の主な手段として、福祉用具の導入・住宅改修が挙げられます。
以下に制度概要をまとめてみました。
【制度の概要】
○ 介護保険の福祉用具は、要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具及び要介護者等の機能訓練のための用具であって、利用者がその居宅において自立した日常生活を営むことができるよう助けるものについて、保険給付の対象としています。
【給付制度の概要】
① 貸与の原則
利用者の身体状況や要介護度の変化、福祉用具の機能の向上に応じて、適時・適切な福祉用具を利用者に提供できるよう、貸与を原則としている。
② 販売種目(原則、同一種目は年間10万円を限度)
貸与になじまない性質のもの(他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うもの、使用によってもとの形態・品質が変化し、再利用できないもの)は、福祉用具の購入費を保険給付の対象としている。
③ 現に要した費用
福祉用具の貸与及び購入は、市場の価格競争を通じて適切な価格による給付が行われるよう、保険給付における公定価格を定めず、現に要した費用の額により保険給付する仕組みとしている。(金額は福祉用具業者が自由に決められることになっています。)
※T字杖はレンタルが行えず、購入となってしまいます。
特定福祉用具とは
レンタルではなく自費購入をするもので、介護に必要な用具で利用者の肌が直接触れるもの、例えばポータブルトイレ・入浴用品・特殊尿器の交換可能部分などです。1年度間(4月から翌年3月まで)の購入金額が10万円を限度に支給されます。購入金額(福祉用具の種類・品目、事業者によって異なります)の1割を利用者がいったん購入金額の全額を支払い、その後に申請をして保険料・税金による補助分(9割)の支給を受けるという、「償還払い」を原則としています。
※一定以上の所得のある方は、2割負担となります。
住宅改修の助成金
介護保険での住宅改修は助成金が下りてきます。実際の住宅改修費の9割相当額が償還払いで支給され、支給額は支給限度基準額(20 万円)の9 割(18 万円)が上限となっています。
※一定以上の所得のある方は、2割負担となります。
・支給金額は要支援、要介護区分にかかわらず定額
・ひとり生涯20万円までの支給限度基準額だが、要介護状態区分が3段階重くなったとき(要支援2→要介護3)、また、転居した場合は再度20万円までの支給限度基準額が設定される。
また、住宅改修は何にでも使える訳ではありません。実は実施出来る範囲も限定されています。
介護保険で使える範囲は以下の通りとなっています。
住宅改修の流れ
(Photo:介護保険の住宅改修・横浜市住環境整備事業のご案内より引用)
<施工者>
・大工・工務店・ハウスメーカー・建築会社・福祉事業者
<保有資格>
・建築士(一級・二級・木造)
・建築施工管理技士(一級・二級)
上記の職種が実際に住宅改修の工事を行って頂ける方となっています。
しかし、彼らは建築のプロであっても利用者様に適した箇所へ設置出来る福祉のプロではないため他職種との連携が必要になってきます。
介護保険ではケアマネが中心となり、リハビリ専門職、訪問介護、他職種で相談し、アプローチしていきます。
まとめ
●住宅改修の目的は自立支援である
●住宅改修と福祉用具は一体的に考える必要がある
●建築のプロ、福祉のプロ、リハビリのプロ、専門職通しの多職種連携が重要
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