リハビリテーションは、療法士と患者,クライアントとの双方の関係性で成り立つ。患者,クライアントのモチベーションが低ければ、どんなにスキルや知識があっても良い結果に結びつかないだろう。
そんな、やる気と運動機能の関係が、神経生理学を用いて説明されている。
(前略)やる気や頑張りといった、モチベーションを司る側坐核(そくざかく)という脳領域が、運動野の働きを活発にさせていることがわかったのです。
詳細を読む(引用元):Medical Note
この「側坐核」は、前脳の腹側線条体に含まれ、約90%がドーパミンの受容体で、快感や喜びなどの情動をコントロールする機能を持つ。この情動に関与している側坐核だが、運動機能の回復過程では、大脳皮質の運動野へ刺激を与え、回復の促進を補助する役割も持っている。特に、完全に回復した状態や回復の後期では影響が少なく、回復の早期過程で著名に関与しているとされている。
この事から、心を司る脳領域が、身体機能の回復に影響を与えていると神経生理学的に説明できる。
脳血管疾患や急性外傷によって身体機能が著しく低下した時、患者やクライアントは、「この先どうなるのか」「このまま、何も出来ない体になってしまうのではないだろうか」と不安な気持ちで一杯になるだろう。今回の研究結果からも心理的なサポートは、リハビリテーションの重要な1つの手段であって、それはただの「根性論」ではないと言えるだろう。
参考
「リン酸化シグナルに基づいた報酬計神経回路の操作技術開発」