東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査*1の一環として、宮城県内7カ所の地域支援センターにて実施された口腔内検査の総計33,037人分について結果をまとめました。
▶︎ 宮城県民3万人の口腔内の健康状態―東北メディカル・メガバンク計画のコホート調査より94.1%の参加者に口腔内の問題があることが判明―
対象は、宮城県全域ですべての年齢層の一般住民(全宮城県民の1.4%相当が口腔内検査に参加)。平成29年6月までに本コホート調査で1度目の口腔内検査を行った総計33,037人分について調査結果をまとめた。
本調査の主な結果は、以下。
- 全体の94.1%にあたる31,087人に、むし歯や歯周病、口腔粘膜の異常などの口腔内の問題が発見された。
- 成人全体の35.9%にあたる11,696人に、むし歯が1本以上見つかった。
- 成人全体の90.0%にあたる29,348人に、歯周病やその前兆が見つかった。
- 毎日歯磨きをする人は、全体で98.5%(男性:96.8%、女性:99.4%)と、調査対象のほぼ全員が毎日歯磨きをしていると答えた。しかし、男性では、毎日歯磨きするもののその頻度は女性の歯磨き頻度に比較して有意に少なかった(p<0.05, χ2-検定)。
今回、口腔内検査を受けた参加者のほとんどに、その口腔内には何らかの疾患疑いが見つかった。
従来、歯科疾患は国民病とも言われ、歯科医院への通院経験を持つ日本国民は96.2%以上に及び、また、常に14.1%の人が歯科医院に通院中であると推定されている。
そのため、ひと度、大規模災害が発生し、歯科治療を受けることが困難になると、その影響は甚大となることが考えられる。