認知症カフェとは「認知症の人やその家族が、地域の人や専門家と相互に情報を共有し、お互いを理解し合う場」である。平成26年度に厚生労働省が行った調査では、41都道府県に655ものカフェが運営をしていて、いずれも地域包括支援センターや介護サービス施設・事業所が主体となっている。
そんな中、一風変わった作業療法士の学生が始めた認知症カフェを今回紹介したい。
▶︎ 「カフェ」リハビリ専門学生開設 横浜で月1回、地域交流拠点にも /神奈川
岩崎学園横浜リハビリテーション専門学校(横浜市戸塚区)の作業療法学科の4年生10人で始めた認知症カフェ「つなぐカフェ」。実習先で重い障害を持つ高齢者に「私たちみたいな人を減らさないといけないよ」と言われた事がきっかけで始めようと決意したという。近隣の認知症カフェに行ったり、認知症カフェの発祥地であるオランダの現状などを調べ、カフェづくりの参考にした。
また、認知症サポーター養成講座を受講したり、地域の自治会に参加したりする事で、ニーズを把握。認知症だけでなく、気軽に参加できるコミュニティとして活用できるような場にしようと今年の1月に1回目の「つなぐカフェ~リハビリの学生が開く地域交流カフェ~」を開いた。
作業療法の専門性を生かして、体も頭も動かして認知症を予防できるようなプログラムを実施。参加者から生活での問題を聞き、次回のテーマを決定していくなど、地域に根差したカフェになるよう心掛けている。鈴木さんは「思っていた以上に高齢者の方々が元気で、逆にこっちが元気をもらっている」と開催した感想を語っている。
療法士の卵だからこそ、その専門性を生かし、対象者のニーズを細かに汲み取り、答えて行くことができる。今後このような場も、療法士の活躍の場になって行くことを期待したい。