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「皮質脊髄路」の中に多様な神経回路が存在することを発見|新潟大学

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今月2日、新潟大学脳研究所システム脳病態学分野の上野将紀教授らの研究グループは、脳と脊髄を結ぶ「皮質脊髄路」の中に多様な神経回路が存在す ることを発見し、それらが運動動作をコントロールする神経地図としての働きを示すことを明らかにした。

 

▶︎ 脳と脊髄を結ぶ運動の「神経地図」〜巧みな動作のもとになる多様な神経回路の発見〜

 

今回、本研究グループは、 げっ歯類であるマウスの皮質脊髄路をモデルとして、神経回路を解析することができる最新の技術を駆使して、皮質脊髄路の詳細な構成の動作原理を探った。その結果、運動機能を担う皮質脊髄路の中に、これまで知られていなかった多様な接続を持った神経回路が内在していることを発見した。

 

それらは回路ごとに、大脳皮質や脊髄の中で存在する場所が異なっており、例えば、大脳皮質の内側や外側など別々の領域に神経細胞が存在し、それらが背側や腹側など異なる脊髄の領域へとつながっていた。

 

また、神経回路ごとに多様な性質を持つ神経細胞と結ばれており、それぞれにおいて (1)特異的な遺伝子を発現し、(2)運動や感覚回路との接続様式に相違が見られ、 (3)興奮性・抑制性の神経伝達物質の種類が異なっていた。さらに、各々の神経回路の活動を遮断すると、腕を伸ばして餌を取るといったきめ細かな運動 において、腕をうまく前へ伸ばせなかったり、つかんだ物を離せなかったりなど、異なる動作の異常が発生した。

 

これらの結果から、皮質脊髄路は大脳皮質と脊髄をつなぐ単一で単純な回路ではな く、別々の働きを持った多様な神経回路の集合体として、巧みに運動動作をコントロ ールしていることが明らかになった。

 

この研究成果は、Cell Reports誌にオンラインで掲載されている。

「皮質脊髄路」の中に多様な神経回路が存在することを発見|新潟大学

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