PTOTSTのニュースレター

【図解】大腰筋とは?解剖学を理解して正しいトレーニング方法を学ぼう。

  • Line
  • Hatena
43830 posts

 

A さん
最近よく聞く大腰筋なんですが、この筋肉をトレーニングする良い方法がわかりません。ダレか教えて下さい。。
ジンタイモ・K
はいはーい。解剖マニアのこの私がお答えいたしましょう。まずはキミ、大腰筋がどんな筋肉かわかってますか?
A さん
どんな筋肉って、インナーマッスルで姿勢を支えるために使われたり、股関節の屈曲を行うのに使われる筋肉ですよね?
ジンタイモ・K
はいはーい。本当にそれだけでしょうか?いいんですかそれだけで?では今から大腰筋で覚えておきたいことを、私自らお教えいたしましょう。

 

大腰筋の起始は2種類ある

大腰筋 起始ー停止

 

まずは大腰筋の全体像を図で理解していきましょう。上の図のように大腰筋は、体幹部と下肢をつなぐ唯一の筋肉です。

 

大腰筋 全面

 

この図をもう少し詳しく見ていくと下の図のように、深頭と浅頭の2種類の起始があることがわかります。

 

大腰筋 深頭

 

深頭の場合、肋骨突起と呼ばれる部位に付着しています。ちなみに、この肋骨突起、横突起と間違われやすいのですが、実は別物です。腰椎の横突起は、上関節突起の外側に小さく盛り上がっている部分で、乳頭突起と呼ばれています。

 

大腰筋 浅頭

 

浅頭の場合、Th12〜L4の椎体に付着しているのが特長です。2種類の起始の違いは、運動に現れ矢状面の動きを浅頭、水平面・前額面の動きを深頭が行っていることが予測されます。この二つを合わせてみると下記の図のようになります。

 

浅頭・深頭

 

今度は、大 腰筋の走行に詳しくなりましょう。

大腰筋は安定に働く筋の走行をしている

 

先ほど、大腰筋に関して、「体幹と下肢をつなぐ唯一の筋である」とお伝えしました。つまり、非常に長い筋肉となります。よーくみてみると、恥骨結節のあたりで、少し走行が変わっているのがわかります。

 

大腰筋 滑車機能

 

注目して欲しいのが、この部分、滑車のような機能になっているということです。大腰筋は、その筋の長さゆえ、筋が収縮する距離が他の筋よりも長いです。(※脊柱起立筋などは、細かい筋線維が多数集まって長く見えている)筋の特性上、筋収縮の距離が長いほど筋の発揮は弱くなる傾向にあります。

 

そこで、重要になるのが恥骨結節での滑車機能です。滑車の利点は、小さな力で、大きな力を物体に伝えができる原理ですから、大腰筋のように長い筋肉には重要になるわけです。

 

テコの原理の観点から考えても、大腰筋は、非常に面白い筋であることがわかります。この滑車機能は、テコでいう「第1の原理」にあたります。テコに関する説明は、下の図を見てください。

 

テコの原理

 

ちなみに、「第1の原理」は安定性にとんだ機能であるため、姿勢保持筋である大腰筋にとっては、もってこいの構造ですね。

 

大腰筋はこんな走行で脱臼しないの?

 

結論から言えばしません。上の写真を見ていると、恥骨結節だけで引っかかっているため、股関節を屈曲したら筋がたわみ、外れてしまいそうですよね?でも大丈夫!人間の身体は、そんなやわじゃありません。

 

大腰筋 鼠蹊靭帯

 

上の図を見てみてください。大腰筋の前に細長い線維が靭帯が走っています。鼠蹊靭帯ですね。この鼠蹊靭帯があることで、前方への脱臼を抑制しています。また、大腿神経、動脈も同じように鼠蹊靭帯の下を通過しています。ちなみに、心臓からでた大きな血管、胸大動脈は、横隔膜を貫くと「腹大動脈」に名前を変え、骨盤の前方で「左右の総腸骨動脈」に名前を変え、そこから「外腸骨動脈」になります。そして、鼠蹊靭帯を越えると「大腿動脈」に名前が変わります。

 

これが解剖学の面白いところです。全く同じ神経でも、走行場所が変わると名前が変わります。これをセットで覚えておくと、臨床で役に立ちますよ。

大腰筋は働き者

 

さてここで問題です。一番初めに出した、大腰筋の表で筋の作用が書かれていました。その特徴的な作用は3つあります。答えよ。

 

わかりましたか?

 

不意を突かれたでしょ!?

 

さて答え合わせです。

大腰筋 股関節屈曲0

まず、股関節屈曲0°〜15°くらいまでは、大腿骨頭を臼蓋に押し付ける作用があります。これを「求心位に保つ」と言ったりします。前回解説されてた梨状筋にも同じような作用がありましたね。(梨状筋の作用を図で覚えよう

 

つまりここでの収縮は、遠心性収縮です。(筋収縮に関しては、こちらをご覧ください)次に、下の図を見てください。

 

大腰筋 股関節屈曲40

 

次は、股関節屈曲15°〜45°くらいまで、徐々に腰椎が前弯してきます。これにより、腰椎の安定化がはかれることがわかります。腰椎が前弯することで、横隔膜の張力は増し、骨盤も前傾方向に運動(後傾位からの場合)してくるため骨盤底筋が働きやすくなります。つまり、体幹の安定構造を作り出す動きですね。やはりここでもまだ、遠心性収縮です。

 

大腰筋 屈曲45

 

いよいよここから、大腰筋の求心性収縮が始まります。股関節屈曲45°以上になるとようやく、求心性収縮での股関節屈曲に大腰筋が作用してきます。つまり、股関節の求心性収縮を強化したい場合、股関節屈曲45°以上に設定してからでないと鍛えられないということです。

 

ただし、例えば歩いている中で股関節屈曲45°を超えることは、ほぼないと思います。ということは、大腰筋を強化する上で、臨床的に必要な運動療法の選択は、股関節伸展運動を伴った、大腰筋の遠心性収縮のトレーニングではないかと考えられますね。

 

大腰筋をトレーニングしよう

大腰筋エクササイズ1

 

上の図を見てください。いきなり抗重力位で行うのは難易度が高いので、背臥位で行います。足の裏のポイントをセラピストが抑えます。(脛骨の真下)患者には、真下に蹴ってもらうよう指示します。この時、つま先で押さないように気をつけてください。最初は、押すのが難しいので、セラピストが、足裏を頭側に押して荷重感覚を入れてあげましょう。

 

大腰筋エクササイズ2

 

次は難易度アップ。うつ伏せになり、股関節を伸展してもらいます。この時、ハムストリングスの収縮が入ったのち、大臀筋の収縮が入るようにしてください。膝関節は伸展位です。少し難しいですが、脊柱起立筋が収縮してしますと、大腰筋が抑制されやすくなりますので、気をつけます。あまり大きく足を上げる必要はありません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?解剖学をきちんと学ぶと、いろいろなことがわかってきます。まずは、解剖の教科書を引っ張り出して、名前を覚えるのではなく、よく観察しましょう!

 

PTOTが学ぶ筋肉まとめ【イラスト付き】

上肢

三角筋

上腕三頭筋

大胸筋

腕橈骨筋

下肢

大腿四頭筋

大腿筋膜張筋

大臀筋

梨状筋

腓腹筋

頸部

斜角筋

体幹

腹横筋

広背筋

僧帽筋

大腰筋

腸骨筋

骨盤底筋群

腰方形筋

 

  • Line
  • Hatena
【図解】大腰筋とは?解剖学を理解して正しいトレーニング方法を学ぼう。
Ptotst
Orange and white funny dating animated presentation  1

Popular articles

PR

Articles

Bnr 01