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アルツハイマー病早期には記憶だけでなく「学習効果」も喪失

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現在、アルツハイマー病患者の数は平成24年の時点で認知症患者数462万人と内閣府が発表している。アルツハイマー病は特徴として記憶障害や見当識障害、幻覚・妄想などの症状がみられ、主な原因として老人斑やアミロイドβなど様々な原因が挙げられるがはっきりとした原因は不明である。

 

これまでの研究にてアルツハイマー病の中で前臨床期アルツハイマー病は学習効果が正常とされてきたが、最新の研究にて新たな研究結果が発表された。

 

東京大学大学院医学系研究科の井原涼子特任助教、岩坪威教授らの研究グループと新潟大学脳研究所・池内健教授らは、前臨床期アルツハイマー病の認知機能を3年間に渡って追跡し、記憶と遂行機能での学習効果が減弱することを発見した。



研究方法は、J-ADNI研究のデータを用い60-84歳の認知機能正常高齢者154名を3年間にわたって追跡した。追跡開始時、19名が前臨床期アルツハイマー病の状態と判明し、半年~1年ごとにミニメンタル検査や論理的記憶検査な基礎的な認知機能検査を反復して実施した。

 

その結果、前臨床期アルツハイマー病の高齢者はミニメンタル検査(MMSE)や論理的記憶検査で得点の上昇が鈍い傾向となり、これは健常者でみられる学習効果の喪失によるものと考えられた。また、進行した病期では遂行機能課題においても学習効果の喪失が検出される傾向が判明した。

 

アルツハイマー病で最も早期に異常が出現すると考えられてきた「記憶」だけではなく「遂行機能」について学習効果の喪失がみられたことは、より効果的な認知機能評価尺度の創出につながるものと期待される。

▶︎ 健常高齢者の2割を占める「前臨床期アルツハイマー病」は、一見正常だが、学習効果が乏しいことが特徴

 

一見、認知機能が下がっていないように見える人も学習効果が下がっており将来、認知症になる可能性が考えられる。
​​​検査結果のみではなく、我々セラピストや医療従事者がその人の行動をみて、早期に気がつくことが大切なことである。

アルツハイマー病早期には記憶だけでなく「学習効果」も喪失

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