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身体認知のメカニズムの発見 リハビリテーションへの応用に期待|東北大

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東北大学大学院情報科学研究科の松宮一道教授は、「自己身体の気づき」に関して、体性感覚処理と視覚処理で得られた情報が一つの統合的な処理過程で認識されるとする従来の説に対して、今回、目に見える「物理的な身体」ではなく、目に見えない「心の中の身体」を、バーチャルリアリティ技術を用いた実験心理学的手法により解明し、「身体所有感」と「身体定位」の二つの処理過程で認識されていることを新たに発見した。

▶︎ 自分の身体に気づくための二つの処理過程を発見 リハビリテーションなど身体認知のメカニズム理解へ

 

本研究では、被験者自身の手は見えないようにし、その代わりにコンピュータグラフィックスにより作成された手(CG ハンド)を提示し、CG ハンドに対して身体所有感を制御できる実験環境を構築した。さらに異なる感覚情報を統計的に最適な方法で統合する最尤推定モデルを適用することで「自己身体の気づき」のメカニズムを解明し、一つの統合処理過程とする従来の仮定とは異なり、自 分の身体であるという気づきには、「これは自分の手だ(who)」と感じる身体所有感、 「自分の手はここにある(where)」と感じる身体定位を認識する二つの処理過程が存在することを発見した。


本成果は、二つの乖離した自己身体の気づきの処理過程の存在を初めて明らかにするもので、運動機能回復のためのリハビリテーションに重要な役割を果たしている身体認知のメカニズムを理解する上で重要な発見となった。


 この発見により、運動機能障害を有する患者の心の中で感じている自分の手や足の異常の度合いや、事故などにより身体の一部を失った患者さんが装着する義手や義足などの自己身体への帰属の度合いを評価するための指標作成の新たなガイドラインを提供する可能性があり、運動機能回復のリハビリテーションに画期的な効果が期待できる。

 

なお本研究は、2019年1月24日付けでScientific Reports(電子版)に公開されている。

身体認知のメカニズムの発見 リハビリテーションへの応用に期待|東北大

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