心臓には、体温を利用し効率よく収縮する仕組みが備わっている?

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早稲田大学大学院先進理工学研究科博士後期課程(研究当時)の石井秀弥らの研究グループは、シンガポール科学技術研究庁と大阪大学の研究者たちと共同で、筋収縮機能の温度特性を評価する顕微解析法を構築し、心臓が体温において効率的に拍動できるメカニズムの一端を解明した。

▶︎ https://www.qst.go.jp/site/press/24243.html

 

哺乳類の筋肉は、細胞の中でカルシウムイオンの濃度が上昇し、次に筋肉を動かすスイッチの役目を担うタンパク質がONになることで、力が生まれて収縮する。

 

本研究グループはこれまで、短時間の加熱によって筋肉の細胞が収縮することを発見・報告し、この新しい「加熱筋収縮」では、カルシウムイオン濃度の上昇が伴わないことを示してきた。今回は「加熱筋収縮」の起きる仕組みをタンパク質分子の働きから証明するため、筋肉の主要なタンパク質を精製し、筋収縮の温度特性を精密に評価できる顕微解析法を新たに開発。その結果、4種類のタンパク質のみを用いて「加熱筋収縮」を再現することに成功した。さらに、哺乳類の心臓には、体温を利用し、カルシウムイオン濃度上昇に応じて効率よく収縮する仕組みが備わっていることを示唆する知見を得た。

 

 なお、「Journal of General Physiology」に2019年4月22日にオンライン掲載されている。

心臓には、体温を利用し効率よく収縮する仕組みが備わっている?

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