26歳理学療法士社長のチーム・ビルディング論【松本裕輝】

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昨年4月に株式会社ARCE(Art×Science)を設立した代表取締役・理学療法士の松本裕輝さん(26)は、「25歳までに起業する」と理学療法士養成校の在学中には、既に決めていたそうだ。

 

現在は、神奈川県の相模大野にあるオーダーメイド型リハビリ施設「UP Life」と生活習慣病に関連する情報発信サイト「LIFit」の2事業を代表取締役として経営しながら、新人時代から勤めていた株式会社Re ambitiousにて、新規事業(1日型デイサービス,R-studio PLUS+:2020年1月6日OPEN)の立ち上げに事業責任者として、同時に携わっている。

 

松本さんに、理学療法士になってから起業までの道のりや、雇用主・リーダーとしての心得を伺った。

 

47連勤、バイト三昧の学生時代

 

ー 松本さんが起業しようと思ったのはいつ頃からどんなきっかけだったのでしょうか?

 

松本 それはもう学生の頃からですね。18、19歳の時に親父が会社からリストラされてしまったり、祖父が闘病生活の末に亡くなったりと、様々な出来事が重なった中で、人が死ぬということ、生きるということに対して、真剣に悩む時期がありました。

 

学校生活とバイト三昧(47連勤が最高記録)の毎日を過ごす中で、「このままで自分は良いのだろうか」と人生に悩み始め、様々な人に出会ったり、様々な経験をしたいと自然に思うようになっていったことを、今でも覚えています。

 

その後、海外留学や医療系学生団体の設立、交流会の主催などを通して、たくさんの方と繋がりを持った中で、様々な個性に触れ、自分という存在を徐々に知っていきました。

 

以前は、スポーツ選手に携わるような理学療法士になりたいと思っていて、POSTでプロ野球の現場を見学させていただいたりもしましたね。

 

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学生時代にPOSTの企画にご参加いただきました

 

様々な経験と出会いを繰り返す中で、自分はプレイヤーとして理学療法士として活躍するよりも、理学療法士に輝く場所を作ったり、チームとして新たな課題を解決する方が向いていると漠然と思いました。

 

その中で、理学療法士になって3年以内に起業するというのを自分で決めて、逆算して就職先も決めました(株式会社Re ambitious)。

 

代表の福島さんにも学生時代に出会い、飲み会(二次会後)の時に、就職を誘っていただきました。今振り返ると、沢山の方との出会いは、飲み会での出会いがほとんどかもしれません(笑)。

 

「起業したい」という旨を事前に伝えたにも関わらず、快く受け入れていただき、1年目から子供向け健康予防事業の立ち上げや事業責任者を経験。

 

2年目からはデイサービスの責任者も同時に兼務させていただいたり、本当に色々な経験をさせていただきました。

 

その瞬間の「正解」が、次の瞬間の「正解」になるとは限らない

ー 理学療法士になってからこれまで、準備というか、意識して取り組んできたことはありますか?

 

松本 特別なことではないですが、学生時代に出会った第一線で活躍されている先生方は、言い訳をせずに、「お金と時間」を自己投資に使っていたことを知っていたので、そこは意識してやってきました。

 

給料の8割を本や勉強会につぎ込んだり、夜1時から2時に寝て朝は4~5時に起きるような生活を3年間続けたり、とにかく人の倍はやる意識で、行動の質より量を大切にしていたように思います。

 

その考え方の背景には、社会人になる前に「権利を得るには、義務を果たしなさい」(POST記事:山口光圀先生2014.05.12)という言葉に出会えたのもきっかけの一つにあります。

 

「何かをやりたい」「〇〇をやらせて欲しい」「何で自分の思ったようにやらせてくれないんだ」など、権利を主張する前に、まずは、目の前のやるべきこと、「義務」を果たそうと。社会人になる前に、その言葉に出会えたのは大きかったかもしれません。

 

後は、日々の出来事に目を向け、「自分と徹底的に向き合うこと」を意識して、仕事に取り組んできました。役職や役割が増えると自分のことだけを考えている場合ではなくなってきましたが、その分、悩みや課題も増え、常に最適解を求め続ける毎日を過ごすようになりました。

 

人間が関わる事柄には、その瞬間の「正解」が、次の瞬間の「正解」になるとは限らない事が多々あるので、毎日悩みながら、トライアンドエラーを繰り返していましたね。

 

たくさんの失敗を繰り返しながら、チームとして一緒に進んで行く上でどんなマネジメントをしていけばいいのか、相手にどういう言葉を投げかければしっかり届くのか、尊敬する上司に指導していただいたり、経営者の方との飲み会で教えてもらったりしながら、自分で考えたことを翌日には実践してみる。そんなことを毎日繰り返してきました。

 

いいチームの作り方

ー ではいいチームを作る上で松本さんが意識しているポイントを教えてください。

 

松本 大きく2つあって、1つ目は「チームや会社の進むべき方向性を定める」という点は意識しています。理念やビジョンの部分ですね。

 

自分達はチームや会社としてどんなことを成し遂げたいのか。どんな存在でありたいのか。そのために大切にしなければいけない価値観は何なのか。そういった部分を個人が認識し、チームとして動けている組織は強いと考えています。

 

 

2つ目は、チームとして進んで行く上で「現在のチーム状況を把握する」という点です。

 

弊社の場合、現在自分の方が中々現場に出れていないので、この役割を管理者に担ってもらっていますが、スタッフ個人個人が今どういう状況に置かれているのかとか、どういうところにモチベーションを感じるのかなど、その人自身のことを知るということは意識してやっています。

 

スタッフの日々の発言や行動、強みや弱みなどを知った上で、その人の良さがチームにどう生きて、その人の弱さがどうやれば強みに変わるのか。チーム単位で考えたときに、メンバーの中でどういう役割をどんな人に与えると、よりチームが活性化するのかなどは考えたり、見るようにしています。

 

ー 人員配置の上でその人がマネージャーに向いているかどうかというのは、どんなところを見て判断していますか。

 

松本 自分自身のことだけではなく、チームが置かれている状況や他のスタッフのことを客観視できているかどうかは見ています。

 

別にマネジメント気質な方がプレイヤー気質の人より偉いわけではありませんが、マネージャーは自分自身を含めたチーム全体を観ることができないとチームを進めていくことが難しいように思います。

 

逆に、「この人はマネージャーに向いている」と思った人には、できるようになるまで待つのではなく、先に役職を与えてしまった方がハマる場合もあると思っています。

 

自分自身も、新人1年目から役職を与えていただいて、10~20歳以上の方と一緒にチームを進めていく上で、人としてのあり方や物事の伝え方、リーダーシップやフォローワーシップについて、実践を通して、多くのことが学べたと思っています。

 

ー 現在やっている事業について、今後どのように展開していこうと考えているのか教えていただけますでしょうか?

 

松本 教育事業として、今はメディアを運営していますが、今後はオフラインでの教育も、地域の教育機関と連携しながら進めていきたいと思っています。

 

2019年9月に神奈川県相模原市南区でオープンした、オーダーメイド型リハビリ施設「UP Life」では、生活習慣病の予防・改善に特化した展開をしています。

 

 

しかし、現在通っていただいている利用者の多くは、「健康に関心がある方」となっているのが現状です。地域のひとつのサービスとして、今後は、いかに「健康に無関心な方」も地域レベルで巻き込んで行けるか。これからの課題になってくると思います。

 

一人でも多くの人の健康と幸せをサポートするためにも、「健康予防・教育・研究」を3本柱に、地域にとって本当に必要なサービスは何なのか。

 

模索し続けていきたいと思います。

 

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