低周波治療器が重症患者の筋萎縮予防・筋肉分解抑制に有効であり、下肢のみでなく上肢の筋肉の筋萎縮を予防することで病院の入院日数が短縮したー。
徳島大学病院集中治療部 中西信人助教は、重症患者の筋萎縮予防に関する低周波治療器(Electrical muscle stimulation: EMS)研究を米国集中治療医学会雑誌「Critical Care Medicine」から報告した。
▶︎ https://www.tokushima-u.ac.jp/docs/22155.html
重症患者では早期リハビリテーションが困難なことも多い。低周波治療器(神経筋電気刺激療法:EMS [electrical muscle stimulation])は患者の随意努力を必要とせず、電気刺激により他動的に筋収縮を誘発する。
研究グループは、人工呼吸管理48時間以上およびICU滞在5日以上が予測される成人患者を対象にランダム化比較試験を行った。
その結果、EMS群と対照群で上肢筋厚・上肢筋断面積の減少率はEMS群で有意に少なかった。はEMS群で有意に少なく、EMS使用群で病院滞在期間が短縮した。
また血中のアミノ酸を測定するとEMS使用群で筋肉の崩壊を反映する分岐鎖アミノ酸の値が低値であった。