7日参議院予算委員会で理学療法士の田中まさし参議院議員が、多岐にわたる重要な質問を行いました。以下は、各質問とそれに対する関係大臣および政府参考人からの回答を要約します。
1. 防災関連
田中氏:「元日に発生しました能登半島地震お亡くなりになられた皆様方にご冥福をお祈りしますとともに被災された全ての方々にお見舞いを申し上げたいと思っております。今回の能登半島の被災地では保健医療チームが支援活動を継続しておられますが、松村大臣からメッセージをいただけないでしょうか?」
回答:松村祥史内閣府特命担当大臣は、被災地支援における自衛隊、ボランティア、専門職の活動に感謝を表し、今後も支援活動の環境整備を進めると回答しました。
田中氏:「この度の半島地震に限らず、これまでの災害では医療のみならず介護福祉保健に関わる他種の専門職が支援にあたってこられています。一方で、災害救助法の第7条の部分に介護福祉保健をしっかり加えていただきたいと考えますが、大臣のお考えをお聞きします。」
回答:災害時の医療・介護・福祉サービスの連携強化を目指し、専門職の法的根拠を明確化し、支援体制の充実を図ることを検討中であることを示しました。
田中氏:「福祉避難所について伺います。高齢者や障害者こういった要配慮の方に対して特別な配慮がなされる福祉避難所ではありますが、この福祉避難所の運用にどのような課題が生じたかについて政府参考人に伺います。」
回答:政府参考人は、福祉避難所の指定や運用に関して、高齢者や障害者のニーズに対応するための課題や改善策を述べ、更なる支援の強化を進めていることを説明しました。
2. 医療・介護分野の効率化と人材育成
田中氏:「医療介護現場での生産性向上とDXの推進、タスクシフトやタスクシェアの重要性について議論されました。効率化に向けたICTの活用や業務負担の軽減、専門職の確保と育成の必要性を述べました。」
回答:浅沼一成医政局長は、医療介護現場でのDX推進やタスクシフト、タスクシェアによる生産性の向上を目指し、効率的な業務遂行と専門職の育成・確保に取り組んでいることを説明しました。ICT技術の活用による業務の効率化や、医療・介護職員の業務負担軽減を通じて、質の高いサービスの提供を目指していると強調しました。
3. 健康寿命の延伸
田中氏:「健康寿命の延伸を目指す政策の重要性を強調し、2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸することを目標とする『健康寿命延伸プラン』について、具体的な施策として、健康に良い習慣の促進や疾病予防の重要性を教えてください。」
回答:武見敬三厚生労働大臣は、人生100年時代を迎える中で、すべての国民が健やかに生活できる持続可能な社会を実現するためには、健康寿命の延伸が重要な課題であると述べました。2040年までに健康寿命を男女ともに3年以上延伸することを目指す「健康寿命延伸プラン」では、自然に健康になれる環境づくりや、行動変容を促す仕組みの導入などを通じて、次世代を含めた全人の健やかな生活習慣の形成や疾病予防、重症化予防に取り組むことが計画されています。武見大臣は、健康に良い習慣の促進や疾病予防が、健康寿命を延伸する上でのキーとなると強調しました。
4.再犯率と高齢受刑者について
田中氏:「受刑者の候補者率は増加しており、再犯率も高齢者に比べて高い情報にあると思います。受給者数に占める高齢者の割合、それから再犯率の傾向、再犯に至る背景について政府参考に伺います。」
回答:政府参考人は、高齢受刑者の割合が増加しており、特に65歳以上の高齢受刑者は全体の14.0%を占めていること、及びその再犯率が19.7%に上ることを示しました。再犯の背景には、貧困、孤独、住居の問題など複数の社会的要因が関連していることを指摘し、これらの問題に対処するため、社会復帰支援の強化、健康管理の充実、及び受刑者の特性に応じた個別の支援プログラムの開発に取り組んでいることを強調しました。
田中氏:「後期高齢者の増加に伴いまして認知症を有する高齢受刑者は今後も増え続けると予想されます。認知症による高齢者の犯罪が病気が原因だとこういう犯罪だということはまだ社会的にはまだ十分に認知されてないんではないかなと思います。」
回答:小泉龍司法務大臣は、認知症を有する高齢受刑者への対応として、入所時に65歳以上の受給者に対して実施する認知症スクリーニング検査を含めた一連の措置を紹介しました。認知症または認知症傾向のある受刑者に対しては、その進行を遅らせるための集団処遇や、症状に応じた個別の処遇を行うなどの配慮がされていることを強調しました。さらに、出所後の社会復帰支援として、適切な住居の確保や福祉的支援を行い、受刑者の孤立防止に努めていることも明らかにしました。これらの取り組みを通じて、認知症を有する高齢者の犯罪に対する社会的認識の向上と再犯防止に取り組んでいることを示しました。
5. 報酬改定
田中氏:「2.5%の報酬改定がありました。これも大変ありがたいと思っています。大臣も本当に感謝を申し上げたいところですが、この改定について、物価高等の現状を踏まえた上での今後の展望をどのようにお考えですか?」
回答:鈴木俊一財務大臣は、報酬改定による賃上げの状況や経営状況の実態把握に努めること、そして令和8年度以降の診療報酬のあり方について、予算編成過程の中で検討する方針を示しました。大臣は、報酬改定が医療介護分野の賃上げやサービスの質の向上につながるよう、実態に即した検討を進めることを強調しました。
田中氏:「今回の介護報酬改定においては、物価高と資材ガソリン等の高騰に対応できないという声が多打たれております。この物価高等への影響に対して今回の報酬改定がどのように対応されているのか、政府参考人に伺いたいと思います。」
回答:政府は介護報酬の改定による処遇改善と、物価高騰への対応策として重点支援地方交付金の活用など、介護事業者を支援するための複数の策を講じていることを説明しました。