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リハ職の知識・経験を活かす〜施設紹介サービスの実際の業務・事例ケース〜

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今回は施設紹介サービスをされている介護施設相談センターあんしんホーム 代表取締役 三橋広大さんに実際の業務内容や事例ケースをお話しいただきます。

「あの患者さんって施設に行ったけど、どうなったんだろう。」

病院や在宅でリハビリに関わっている方で、「あの患者さんは介護施設に退院したけど、どんなところだろう」「訪問リハビリしていた方が急遽施設入所になった」など介護施設の入所の経緯や流れって以外に療法士は知らないことが多いと思います。介護施設の入所や施設形態を知ることは、リハビリ職として現在のリハビリにも活かせることだと思います。

皆さんがイメージ湧きやすいように、今回は回復期リハビリテーション病院のソーシャルワーカーから施設相談の依頼があるケースをお話し致します。

回復期リハビリテーション病棟から介護施設に退院するケース

事例(仮)

回復期リハビリテーション病棟入院中

病名:大腿骨頸部骨折術後

既往歴:認知症、糖尿病、高血圧

医療行為:インスリン注射 2回

ADL 移動:病棟内シルバーカー軽介助~見守り、長距離車椅子

   食事:自立

   排泄:中等度介助

   更衣:見守り

介護度:要介護2(区分変更予定)

家族の希望

予算:20~25万円程度

生活で重視したいこと:リハビリを継続したい

依頼経緯

大腿骨頸部骨折にて救急搬送、リハビリ加療して在宅復帰を目指していたが、トイレ動作とシルバーカー歩行が実用性に乏しいことと、認知が進み理解力やインスリン注射などが自身でできなくなったことで、在宅が難しくなったケースです。

基本的には、病院のソーシャルワーカーから相談が入り、家族と面談して進めていきますが、今回は家族に面談でご希望を伺った後の施設選定の過程から話します。

まず確認事項として、医療行為の確認です。インスリン注射が必要であり、認知症があるため看護師による医療行為となりますので、看護師常駐の施設が対象となります。

看護師の常駐が法的に必須なのは、特別養護老人ホームと介護付き有料老人ホームとなります。※介護度が現時点で要介護2のため、特別養護老人ホームは要介護3以上から申し込みのため、今回は非該当として進めます

医療行為やリハビリ希望などによって該当施設を絞っていく

今回のケースでは、現在要介護2のため民間の施設が第一選択肢となりますが、インスリンの対応があるため看護師の法的に常駐している介護付き有料老人ホーム、看護師配置をしている住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅が該当いたします。皆さんが良くイメージされる認知症専門のグループホームは、看護師配置がないところがほとんどのため、今回は除外して上記の3施設でお話を進めます。

各施設の特徴として、

介護付き有料老人ホームの場合は、料金に関しては定額制で介護サービスも利用限度がなく適宜必要に応じて介護が提供されます。また人員配置が3対1という配置基準があり、認知症で転倒リスクが高い方も食堂で見守り対応できるなどが強みとなります。医療行為も看護師が法的に常駐しているため、日中時間帯であれば基本的に対応可能です。

画像は基本的に法律の配置基準等で色をつけてあります。

色がない項目については各施設の方針で配置を決めており、サービス付き高齢者住宅でも看護師を24時間配置しているところなども最近はあります。

住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者住宅は双方ともに在宅扱いのサービスの施設となり、料金に関しては使った分の点数制のサービスとなります。また介護職員は人員配置ではなく訪問介護サービスが基本のため、各部屋が基本的に自宅のようなイメージとなり、ケアマネージャーが作成したケアプランで曜日、時間で入るサービスのため、認知症で転倒リスクが高い方などは見守りに弱いため注意が必要です。※ナースコールを押せばスタッフが来てくれることがほとんどですが、介護付きに比べると配置スタッフも少ないです。

看護配置に関しても法的義務はないため、各施設の方針により異なります。

このように介護と医療の点では、介護付き有料老人ホームが選択肢として有力候補になるかと思いますが、一点今回のケースの希望であるリハビリの点では住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅が優れている場合があります。

それは、訪問リハビリ(看護も含む)が入れる点です。

介護付き有料老人ホームは、施設内で全て医療、介護サービスを提供するため、法的に外部の介護サービスが利用できません。そのため、理学療法士配置がない施設は基本的にリハビリを受ける場合は、医療保険適応の類似サービスの鍼灸あん摩マッサージ指が提供する訪問リハビリマッサージを利用することが多いです。

また介護施設自体が理学療法士の法的配置義務がないため、理学療法士を配置すると基本的に入居者の生活費に人件費が上乗せになるため高額の施設になりやすいです。そのため皆に等しくリハビリを提供するというのは中々難しくなります。

住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅などは、ケアプランの点数制のため自身の介護保険の点数によりますが、外部のリハビリサービスを介護保険で受けられるため、介護保険内でリハビリを受けることができます。

このような制度の理解をもってお客様に的確な施設をご提示致します。

今回のケースでは、ご予算とリハビリのご希望を叶えるため、理学療法士や作業療法士の配置がある介護付き有料老人ホームか住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅で、訪問リハビリを受けられる場所で費用に合うところをいくつかご提示いたします。

一般的な流れとしては、比較検討でいくつか該当施設を見学し、費用、サービス内容、自宅からの距離、スタッフの対応、雰囲気等を総合的に考慮し、ご家族と施設を検討していきます。

施設紹介のサービスとしては、入所申し込み後もご家族のご不明な点などをフォローし、施設に聞きづらい点等あれば代行して聞いたりします。

無事に入所した後も施設でのご本人様の様子を伺ったり施設が困っている点をフォローしたりすることで、ご案内施設とも信頼関係を築いていきます。

このように施設紹介のお仕事は、医療状況や介護状況から施設の選定、現行の制度からどのような方法を取るとより良い選択肢がとれるかを提案することにあります。

療法士の知識と経験を活かすことで、事業者と利用者を的確につなぎ笑顔を増やせる魅力あるお仕事です。

次回は、介護施設などの介護業界で療法士が働くのはどんなパターンがある?をお伝え致します。

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