「理学療法士が現場から考案 IOTによるエアコンの自動制御で熱中症予防へ」 高齢者を守る“熱中症支援サービス”への挑戦

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夏になるたびにニュースで取り上げられる高齢者の熱中症問題。
特に在宅で暮らす高齢者においては、「エアコンを使わない」「認知症でリモコン操作が難しい」「暑さを感じにくい」といった問題が重なり、毎年多くの命が危険にさらされています。

今回は、高齢者向け熱中症予防支援サービス「あんしんホームプラス」を立ち上げた株式会社PORT代表・三橋氏に、サービス開発の背景や今後のビジョンについて伺いました。

「施設入所前に熱中症で亡くなる」現実を何度も見てきた

輪違:三橋さんの会社では老人ホーム紹介事業を運営されていますが、なぜ今回このような熱中症対策サービスを始められたのでしょうか?

三橋:私たちは普段、高齢者施設の紹介事業を行っていますが、その中で毎年春から夏にかけて暑くなる時期に、施設入所を待っている間に熱中症で亡くなられてしまう方を何人も見てきました。

また、熱中症で自宅で倒れ、発見まで時間がかかってしまうことで、褥瘡や横紋筋融解症などの二次障害を発症し、それまで元気に外出されていた方が寝たきりになってしまうケースも多くありました。

地域のケアマネジャーさんや地域包括支援センターの方々からも、

  • 「本人が認知症でリモコンを使えない」
  • 「家族が遠方に住んでいる」
  • 「独居で見守る人がいない」
  • 「休日も心配になる」

という声を毎年のように聞いていました。

私たちは保険外サービス専門の会社として運営している以上、制度に縛られず、社会課題に素早く対応していくことが大切だと考えています

熱中症を防ぐことは、ご本人だけでなく、ご家族やケアマネジャー、地域支援センターなど、関わるすべての方の安心につながると思ったのです。

「エアコンをつけない高齢者」は決して少なくない

輪違:実際、高齢の親御さんを持つご家族は、真夏になると心配される方も多いですよね。

三橋:そうですね。「エアコンをつけてほしい」と家族がお願いしても、なかなか使ってくれず、暑い部屋で過ごしてしまう高齢者の方は本当に多いです。

高齢になると暑さへの感覚が鈍くなることがありますし、認知症によってリモコン操作が難しくなるケースもあります。

その中で、エアコンを自動制御できるということは、熱中症予防において非常に大きな意味があります。

夜間熱中症を防ぐ鍵は「壁を冷やす」こと

輪違:熱中症というと昼間のイメージがありますが、夜も危険なんですよね。

三橋:実は熱中症は夜間にも非常に多く発生しています。

日中に家の壁へ蓄積された熱が、夜になって輻射熱となり室内を熱くしてしまうんです。
なので、単純に扇風機を回すだけではなく、「エアコンで壁ごと冷やす」という考え方が重要になります。

輪違:なるほど。“壁を冷やす”という発想は、ご高齢の方にはなかなかないかもしれませんね。

三橋:そうなんです。だからこそ、夜間熱中症を防ぐためにも、この考え方を啓発していきたいと思っています。

熱中症予防は「医療崩壊を防ぐ」ことにもつながる

輪違:熱中症対策は、本人の安全だけではない側面もありそうですね。

三橋:その通りです。

毎年、熱中症による救急搬送者の約80%が高齢者と言われています。
そして現在、医療現場は慢性的な人手不足です。

つまり、熱中症を未然に防ぐことは、救急搬送や医療負担を減らすことにもつながるんです。

今後は自治体との連携協定なども進めながら、地域全体で支える仕組みづくりを行っていきたいと考えています。

エアコンの自動制御とAI搭載のセンサーとは

輪違:あんしんホームプラスでは具体的にどのようなサービスを提供しているのでしょうか?

三橋:在宅のIOT見守りサービスを提供しておりますが、高齢者のご自宅のエアコンを適正温度に自動コントロールすること、医療・介護の有資格者がコールセンターでサポートするという2点が特徴的なサービスとなっております。

輪違:見守りサービスは色々な会社が提供されておりますが、エアコンの自動制御は業界初のようですね。

三橋:はい。エアコンのコンセント部分にデバイスを接続することで、買い替え不要で現在のエアコン操作からモニタリングすることが可能です。

輪違:既存のエアコンで利用できるのは金銭的な負担がなくていいですね。見守りはどのようにするのですか?

三橋:見守り検知については、人感センサーや開閉センサーなどを部屋に設置することで一定期間の動きがない場合にアラートがなり通知がいくシステムとなります。また従来の見守りのIOT機器は誤検知をしてしまい不要だった連絡が通知されてしまったり、警備員が出動になったりという事象が発生しておりましたが、こちらのセンサーは特許技術AI検知で「誤報がない」見守りを実現しております。

輪違:IOTにもAIが影響してくる時代になりましたね。

「家族が見る時代」から「専門職が支える時代」へ

輪違:あんしんホームプラスでは、医療・介護資格者による24時間コールセンターも提供されているそうですね。

三橋:はい。今回、弊社はIoT企業と連携してサービスを提供しているのですが、その中でも大きな特徴が、医療・介護資格を持つスタッフによる24時間対応のコールセンターです。

従来の見守りサービスは、「異常があれば家族へ通知が行く」というものが一般的でした。

ただ、今の時代は共働き家庭も多く、

  • すぐ駆けつけられない
  • 会議中で電話に出られない
  • 携帯を持ち込めない職場もある

など、家族だけで対応するには限界があります。

ですが、緊急時は一刻を争います。

あんしんホームプラスのコールセンターでは、ご利用者一人ひとりの持病や情報を電子カルテとして管理し、状況に応じて救急搬送の判断や対応ができる仕組みを整えています。

「誰が見守るのか」という課題に対して、専門職が支える仕組みを提供したいと考えています。

利用者が手のひらサイズのナースコールで安心される様子

「本人だけでなく、事業者も安心できる」

輪違:確かに、見守りサービスは多くありますが、“専門職が支援する”という点は安心感がありますね。
今後のビジョンについて教えてください。

三橋:まずは、このサービスを知っていただくことが第一段階だと思っています。

実際にケアマネジャーさんやご家族からは、

「これからの暑くなる時期、本当に安心できるサービスですね」

という声をいただいています。

本人だけではなく、支援する事業者側が安心できるということも、とても重要なポイントだと思っています。

近年、日本の夏は毎年最高気温を更新しています。
その中で、一人でも多くの方の熱中症を防ぎたいと思っています。

私は理学療法士として病院で働いていましたが、病気は予防できないこともありますが、熱中症は予防できると確信しています。

予防できるはずの熱中症で、自分の親が命を落とす。
そんな悲しいことを少しでも減らしたい。

そのために、地域インフラとして安心を届けられるサービスを目指し、自治体や地域との連携も進めていきたいと思っています。

編集後記

高齢化が進む日本において、「見守り」は今後ますます重要なテーマとなっていきます。
その中でも、熱中症という“予防できるリスク”に真正面から向き合う「あんしんホームプラス」は、単なるIoTサービスではなく、“命を守るインフラ”としての可能性を感じさせる取り組みでした。

高齢者本人だけでなく、家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、医療機関。
すべての人の安心につながるサービスとして、今後の展開に注目したいと思います。

株式会社PORT

代表取締役 理学療法士 三橋 広大

在宅見守りサービス あんしんホームプラス

https://www.anshin.homes/anshin-homes-plus/

介護施設・老人ホーム相談センター あんしんホーム

https://www.anshin.homes/

採用

https://www.port-inc.co.jp/recruit

「理学療法士が現場から考案 IOTによるエアコンの自動制御で熱中症予防へ」 高齢者を守る“熱中症支援サービス”への挑戦

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