入院時の体幹の筋肉量で起き上がり動作の獲得を予測 脳卒中リハ、男女別の目安を算出

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済生会吉備病院(岡山市)のリハビリテーション科チームは、回復期リハビリ病棟に入院した脳卒中患者の体幹の筋肉量から、退院時に起き上がり動作を獲得できるかを予測できる可能性があるとする研究をまとめた。入院時に体格で補正した体幹の筋肉量が一定の値を上回ると、退院時に起き上がり動作を獲得できる可能性が高いという。成果は専門誌「理学療法―臨床・研究・教育」に掲載された。男女別に具体的な目安となる数値を示した点が特徴。

 

研究チームによると、対象は2022年4月から2025年1月までに同院の回復期病棟へ入院した65歳以上の脳卒中患者174人(男性92人、女性82人)。年齢の中央値は82歳で、後ろ向きの観察研究として解析した。

 

体組成を調べる生体電気インピーダンス法(BIA)を使い、入院翌日に体幹の筋肉量を測定した。身長の二乗で補正した体幹筋指数(TMI)を算出し、退院時に起き上がり動作を獲得した群と、しなかった群で比べた。獲得は、口頭指示を含め、おおむね自力で起き上がれる状態を指す。

 

統計解析の結果、TMIは起き上がり動作の獲得と独立して関連する因子だった。握力や体幹機能テストなど他の指標を加味しても、TMIの影響が残った。

 

獲得の可否を見分ける目安となるTMIの値は、男性で1平方メートル当たり6.32キロ、女性で5.92キロだった。判別の精度を示すAUCという指標は男性0.82、女性0.83と高い水準を示した。

 

目安を上回っても起き上がれない患者や、下回っても起き上がれる患者も一定数みられた。体幹の筋肉量だけでなく、認知機能や運動麻痺の程度を含めた多面的な評価が必要になる。

 

研究は単一施設の後ろ向き調査で、体幹の筋肉量と動作獲得の因果関係までは示せていない。チームは今後、前向きの研究で筋肉量の経時変化を追う必要があるとしている。

 

BIAはベッドに寝た姿勢で簡便に測れ、CTやMRIなどに比べて専門的な手技や設備の負担が小さく、ベッドサイドで使いやすい。入院早期に退院時の動作を見通せれば、リハビリ計画を早い段階で立てる手がかりになりそうだ。

参考資料:池田尚也、藤井祐貴「脳卒中リハビリテーション患者における入院時体幹筋量は起き上がり動作獲得の予測因子になり得るか」理学療法―臨床・研究・教育 2026年33巻1号 p.32-38(J-STAGE早期公開2025年6月20日、巻号公開2026年5月14日)

入院時の体幹の筋肉量で起き上がり動作の獲得を予測 脳卒中リハ、男女別の目安を算出

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