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腎臓リハビリテーションを行う上で必要な生理学的知識

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前回の続き-

生理 マナブくん
先程の腎下垂の一部では血尿が生じるという点から,腎臓の生理機能を血尿の症状から展開し,復習していきましょう.では,先程,血尿が出てしまうということですが,なぜ尿に血液が混ざってしまうのでしょうか?説明できますか?
A さん
はい.これは前回,糖尿病の時に少し学習したのを覚えています! 腎糸球体/ボーマン嚢では,血液濾過が行われます.そこでは血液は出ないのですが,何かの疾患で腎実質が障害されることで,血液が尿に混ざってしまうというメカニズムです.
生理 マナブくん
・・・苦笑. もう少し,専門用語を使用しましょう. 腎臓の濾過機能に関する構造です.ここで糸球体/ボーマンン嚢における濾過構造において,赤血球がサイズの問題から通過できないことをおさえてください.血液が出ないのではなく,赤血球が通過できない,としっかりと医学用語を使用しましょう.
A さん
はい.苦笑
生理 マナブくん
糸球体/ボーマン嚢だけではなく,その他腎実質や尿管由来など,血尿の原因はいくつかあることも併せておさえておいてください. 実は今回,このように腎臓の話の展開を持ち出したのは,,, Aさんに来週から血液透析を行っているご活用者様を担当してもらいたいと思いるからです.ですので,腎臓の機能と腎臓リハビリテーションについて勉強していきましょう.
A さん
血液透析の方ですか...不安ですが・・・
生理 マナブくん
LEのスタッフは地域医療を担い手として,ご活用者様の生活/生命を守り寄り添うのですから,しっかりと勉強しましょう!
A さん
はい!
生理 マナブくん
では下図を一緒にみていきましょう. これは尿細管と集合管における再吸収と分泌を模式的に示した図です.これらの記載されているホルモン,例えばアルドステロンはレニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の作用により血圧上昇に関与する,心房性ナトリウム利尿ペプチド (ANP)はナトリウムや水の排泄を促し血圧低下や利尿に働く,などをしっかりと復習しておいてください.
生理 マナブくん
服薬では,これら作用を持つ薬をご活用者様は内服していると思います.難しい,分からなければ看護師さんに助言をもらうこともしてください.LEでは,チームとしてご活用者様の生活生命を守るのですからね!

 

 

A さん
はい.糖尿病の時,内服メカニズムを理解することがいかに重要か十分に理解しました!ですので,今回はしっかりと服薬作用を理解した上でご活用者様宅に訪問します.
生理 マナブくん
ここでは,図に示されている尿素/尿酸について着目していきたいと思います. これらは何から生成されますか?
A さん
えっ・・・.すみません.わかりません.
生理 マナブくん
尿酸はプリン体の最終代謝産物であり,尿素は肝臓の尿素サイクルを経て産生されるタンパク質代謝の主要な最終産物です.復習しておいてくださいね,肝臓では,タンパク質の分解によって生じたアンモニアを毒性の低い尿素に変えるという生理機能を一緒に.
A さん
はい..
生理 マナブくん
ここから評価 (アセスメント)ポイントの一つです.毒性の低い物質のなった尿素ですが,これが腎機能障害によって体内に蓄積されてしまうとどのような症状が出るか分かりますか?
A さん
すみません.分かりません.
生理 マナブくん
生理機能を理解すると評価が何のための評価項目か十分に理解できますよ. 腎機能障害により体内に尿素が蓄積してしまい,様々な症状を引き起こしてしまうことを尿毒症と言います.
生理 マナブくん
これはしっかりと抑えておいてください.尿毒症による症状の訴えが聞かれた時は看護師や必要に応じて主治医に連絡することが必要です.糖尿病の時のように,他人任せではダメですよ.
A さん
はい!

 

ー続く。次回「尿毒症の予防としてリハスタッフができること」についてです。

 

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監修:吉川輝

昭和大学 医学部 生理学講座 助教

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