まな板の上のゴリラと化す!<<前回の内容
感情失禁でなぜか笑いが止まらない
手術が終わってICUに運ばれる時に目が覚めます。
妻の手をとにかく強く握っていたのを覚えてます。妻も困惑した表情で私を見てます。
「しっかりして」と言わんばかりの表情と握力の強さです。またそれが胸を張り裂けさせます。申し訳ない気持ちとまた妻に会えた嬉しさで涙が止まりません。私の体の感覚は、打ち上げられた冷凍マグロ状態です。
ICUでは、「生きてる喜び」と「まだ抜けない麻酔」で高揚感フルマックスです。なぜか笑いが止まりません。絵に描いたような「感情失禁」というやつです。ゲラゲラ笑っていたのをしっかり覚えています。
さて、翌日にはICUから一般病棟に移りました。食事も常食になります。
もちろん、まだ頭ボーっとしています。リハビリもベットサイドからスタートです。担当PTの評価からも、どうやら僕は左半側空間無視、注意障害、顔面麻痺があることが推測されます。なんの評価をされていたかは、頭がボーっとしていてもハッキリと覚えています。
そして、その翌日から、リハ室でのリハビリテーションがスタートします。
出来たという既成事実が大事
術後の経過もかなり良いとのこと。このあたりで、看護師さんのホスピタリティーの高さにビックリします。将来への不安や、自分の麻痺に対してのイライラを思い切りぶつけても全てを受けとめてくれました。
なかには、「川田さんがやっとぶつかってきてくれた」と泣いてくれた看護師もいました。
そして、担当のPTは、とにかく僕を尊重してくれました。またその都度、リハビリテーションの目的をきちんと説明してくれました。年齢もキャリアも僕よりも下だけど、そんなことは全く関係ありません。僕は彼について行くことを決めます!
僕は毎日その担当PTに「歩容なんてどうでもいいから、とにかく歩きたい」と強く訴えました。
するとその担当PTは、「わかりました」とひとつ返事で転倒リスクの高いおデブちゃんな僕を毎日歩かせてくれました。本当に感謝しています。
急性期であればあるほど「出来る」「出来た」という既成事実が大切だと感じました。また担当OTもホスピタリティーの高い女性でした。僕の性格を早期に分析され凄くコントロールされていたと 思います。
OTの時間は、いつも、夕方だったせいか、僕はあくびマシーンだったけど、指が分離運動出来るようになった頃からOTも非常に楽しい時間でした。ST担当は男性でしたが、非常に丁寧に接していただきました。
ただ高次能のリハビリテーションってこんなに疲れるのかと感じました。
例えると、成田ーハワイ間エコノミークラスって感じです。
感覚をフィードバックする大切さ
また、リハビリテーションを受ける時に僕が最低限気をつけたことは、PTOTSTに「感覚」をきちんと伝えることです。
初期は、プッシャーシンドロームがありましたが、担当PTにもOTにも「押してるよりも体幹から引かれる」ことをきちんと伝えました。 感覚を伝えることは同じリハ職として、最低限のことかと思いました。
少し感情失禁もありましたので、その感覚も伝えました。
伝えれば伝えるほどPTOTSTとの関係はよくなり、リハビリテーションのクオリティーが上がっていったと強く認識しました。
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川田章文先生経歴
経歴:
平成10年 茨城県立下妻第一高等学校卒業
平成14年 国際医療福祉大学保健学部理学療法学科卒業
同年 栃木県厚生農業協同組合連合会 下都賀総合病院リハビリテーション科入職
平成15年 筑西市民病院 リハビリテーション科入職
平成20年 筑西市民病院 総務課へ異動(院長秘書、医師人事等)
平成23年 学校法人アゼリー学園 東京リハビリテーション専門学校 入職
平成27年 アゼリーグループ 一般社団法人 未来創造研究所
主任研究員/人材育成コンサルタント
現在に至る
学校法人アゼリー学園 東京リハビリテーション専門学校
http://tokyo-reha.azalee.or.jp/
一般社団法人未来創造研究所
医療と介護 人材育成コンサルタント川田 ブログ
「ワクワクする現場育成」
http://ameblo.jp/mirai-soken-kawata/
医療と介護人材育成コンサルタント川田 メルマガ
「失敗する人材育成」とある経営者からの話
http://www.mag2.com/m/0001670418.html
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