【岩田研二先生 | 理学療法士】青年海外協力隊で活躍する理学療法士

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理学療法士を目指したきっかけ

 私が高校生の頃、サッカーの試合中に腰を怪我(腰椎分離症)してしまい、初めてリハビリテーションを受けました。その時担当していただいた理学療法士の方がとても優しくて、怪我に対するアドバイスだけでなく、大切な大会を控え、不安だった私の「心」のリハビリテーションまでしていただきました。

 

それまで進路については特に深く考えたことはなかったのですが、その理学療法士の方に出会い、この仕事はやりがいがありそうだなと感じたことが、理学療法士になろうと思った大きなきっかけだったと思います。(当時は、理学療法士=スポーツトレーナーと思い込んで入学しました。実際はそうでありませんでしたが…)

 

現在の仕事

現在、私は日本ではなく、タイのプラプラデーン障害者ホームで青年海外協力隊の理学療法士として活動しております。それまでは、およそ7年間、三重県の回復期リハビリテーション病棟で、臨床・研究・教育を学んでおりましたが、転機は突然訪れました。

 

それは三重県の理学療法士会が主催する新人教育プログラムで「世界の理学療法」を拝聴したことです。そこで耳にしたのは、その当時、世界の77カ国は理学療法士が1,000人以下で100人以下のところも多いということ、更には、リハビリの養成校すらない国があるという事実でした。講演終了後、「自分の目で確かめてみたい」と思い、青年海外協力隊に応募しました。

 

その当時は、青年海外協力隊=井戸を掘りに行く人達のイメージが強く、理学療法士として応募できることすら知りませんでした。

 

(要請内容:http://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/)   仕事内容としてJICA(独立行政法人国際協力機構)からの要請内容は、①入所者のADL向上・維持のためのリハビリテーションの実施、②配属先のリハビリ助手と恊働して知識技術の向上と所内普及、及び介護者への指導・助言、③配属先内で行なわれる各種行事・グループ活動への協力、の3つです。

 

現在は5〜10名の利用者に対して個別リハビリテーションを中心に実施しており、「リハビリをすることで再び〇〇ができる」喜びを現地スタッフと利用者に実際に体感してもらい、笑顔を引きだせるように努力しています。

 

途上国でのリハビリテーション支援の考え方としては、日本のリハビリテーションが正解で、それを途上国の人に「教える」という姿勢ではなく、同じ目線で現地のスタッフと共有する時間の中で生まれてくるものが、途上国の発展を担う「人づくり」に寄与するのだと思います。

 

多様な価値観、文化、社会ですので、日本で経験したリハビリテーションを当てはめる方が難しいかもしれません。

キャリアアップとは? そのために”今”行っていること

「キャリアアップする」=「専門分野の最前線で行動を続ける事」だと思っています。私の場合は「国際リハビリテーション」の分野を考えています。医療職の中で、看護師の次に多い理学療法士は、世界の人の健康の改善のために貢献することが期待されています。

 

世界では人、物、金、そしてサービスが国境を超える時代となってきました。実際にEPA(経済連携協定)に基づき、外国人看護師が日本の病院に就労したり、ASEAN(東南アジア諸国連合)は2015年に医師、歯科医師、看護師に対してのクロスライセンス(各国の職業資格を相互承認)を認めており、ASEAN各国内であれば制約を受けることなく自由に移動し、仕事ができるようになります。

 

リハビリテーション分野においても、日本には在日外国人が200万人前後おり、2012年のデータで外国人労働者数も68万人と年々増加傾向です。外国人と働くことや、外国人のリハビリテーションを担当する機会が当然増えてきますし、私自身も日本にいた頃、経験しています。「言葉が通じないから担当は嫌だ」では倫理上、済まされない問題です。

 

しかしよく考えてみると、養成校の卒前教育のなかで、国際的な視野を持ったセラピストになるための講義はカリキュラムの中に含まれていなかったと思います。多様な価値観、宗教、文化を踏まえどのように異文化コミュニケーションをとっていけばいいのかを教えていく必要があると感じます。理学療法士数において日本は世界でNo.1となっており、世界を牽引していかなくてはならなければなりません。

 

私自身もこれから努力を重ね、少しでも世界の健康改善に貢献し、青年海外協力隊の経験を教育現場で伝えられるようにしたいと思います。

 

リハビリ職を目指す学生の皆さんへ

 養成校の校長が言った言葉が頭の中に残っています。
 
「とにかく5年間、一生懸命に頑張れ。そうすれば道は拓く」。とくかく5年間、臨床・研究・教育に対して真摯に取り組んでみてください。養成校時代、優秀ではなかった私ですが、働きだしてからは目の前の患者さまに真剣に向き合ってきたつもりです。行動してきてことで色々な道が拓けてきましたので、是非、皆さんも色々な事に挑戦してみてください。
 
リハビリセラピストとして働くことは知識・技術はもちろんですが、特にコミュニケーション能力は人と関わっていく仕事として大切だと思います。「大人との付き合いに慣れている学生」は就職に有利な時代となってきています。アルバイトや部活動を通して、幅広い年代の方とのコミュニケーションを心がけてみてください。また異なる文化、異なる価値観を持った人に対しても、きちんと自分の主張が伝えられる能力も大切ですので「国外」に目を向けてもいいかもしれません。
 

岩田研二先生の経歴

岩田研二

2007年:藤田保健衛生大学リハビリテーション専門学校 理学療法科 卒業
2010年:日本福祉大学通信教育部 福祉経営学部 卒業
2012年:藤田保健衛生大学大学院 保健学研究科 卒業
 
職歴
2007年:医療法人松徳会花の丘病院 リハビリテーション科 理学療法士
2013年:Phrapradaeng Home for Disabled People 理学療法士(青年海外協力隊 タイ)
 
受賞歴
2011年:藤田リハビリテーション関連施設臨床研究会 優秀発表賞
2013年:第24回「理学療法ジャーナル賞」奨励賞
 
所属団体
SIGNALリハビリ勉強会 運営スタッフ(国際部担当)
「途上国にリハビリ道具を届けませんか?」プロジェクト代表
Anatomy&Physiotherapy(Facebook)A translator on Tuesday in japanese page
日本理学療法士協会HP 国際コラム担当
開発途上国リハビリレポーター 副代表
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