実習生自殺裁判と指導に関しての注意|日本理学療法士協会

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2013年、近畿リハビリテーション学院に通っていた大野輝民さんが、クリニックでの実習中に公園で自殺しているところが見つかった。 遺書が残されており、「本当にもう無理」などと書かれていた。

 

大野さんの妻はパワハラが原因としてクリニックを運営する医療法人と学校に対して損害賠償を求め、大阪地裁は6100万円の賠償を行うよう命じた。

 

今月11日には、日本理学療法士協会のホームページより、臨床実習中における学生への指導として、以下の2点が再度注意として掲載されている。

 

①実習時間内での日誌・課題作成等の完結
日誌・課題作成等については、理学療法士作業療法士養成施設指導要領に基づき、臨床実習時間内にて完結できるよう、養成校と実習先施設との十分な打ち合わせに基づき計画し、実施ください。
 
②個人情報保護の遵守
養成校では臨床実習前に、学生に対し、必ず個人情報保護教育を受けさせるようにしてください。
また、実習先施設では患者情報の持ち出しのみならず、個人情報の取り扱いについては全ての面で慎重に行うよう指導してください。

引用:[その他]臨床実習中における学生への指導について


 

2016年には、衆議院議員阿部知子氏が「臨床実習の指導内容についてはほとんど整備されておらず、実習内容が標準化されていない」、「理学療法士等養成校の急増によって日本の理学療法士等養成教育の質の低下が指摘されているが」といった理学療法士・作業療法士の臨床実習に関する質問が提出されている。

 

2017年より、厚生労働省にて理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会が計5回開かれ、実習指導者や施設基準などの規定について報告書が取りまとめられた。今後、関連法令等の改正が行われる予定だ。

 

現在、経験年数が10年近い理学療法士は、自分たちの時と比べて「実習がゆるくなった」と感じている人も多いのではないだろうか。それにはこういった背景が関係している。

 

世間が理学療法士・作業療法士の実習に注目を寄せている今だからこそ、時代の流れに対応した行動を取らなければならないのではないか。この事件は氷山の一角であると思う。実習におけるパワハラ、そしてセクハラに関してもまだ現場には行われているかもしれない。

 

「自分は担当のバイザーじゃないから」と他人事にせず、組織的に捉えていく必要が不可欠であると考える。

 

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実習生自殺裁判と指導に関しての注意|日本理学療法士協会