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2582→3000病院、日本病院会が会員拡大計画 ー 医療費削減政策に対抗

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日本病院会の相澤孝夫会長は3月18日の定例記者会見で、3月15日に開催された定期理事会および総会の内容を報告し、会員数拡大と全都道府県への支部設置計画を発表しました。

会員拡大と組織基盤強化

相澤会長によると、日本病院会の会員数は「順調に増加を続け2582病院となった」として、2025年度の事業計画では「組織基盤の拡大を目指し、正会員3000病院を目標とする」ことが承認されました。また、現在設置されていない都道府県にも支部を設置し、全国47都道府県での活動強化を図る方針も決定されました。

2025年度重点事業

記者会見では、2025年度の重点事業として以下の取り組みが紹介されました:

◯かかりつけ医機能報告制度への対応:4月から始まる同制度の進捗を注視し、必要に応じて意見を提出
◯新たな地域医療構想の実現:今年策定される地域医療構想ガイドラインの作成過程を注視
◯協会けんぽによる人間ドック費用補助への対応:2026年度から開始される制度に向け、中小病院での人間ドック実施を推進
◯病院総合医育成の共同事業:複数団体と連携した病院総合医育成事業を2025年度から開始

病院経営の厳しい状況に懸念

記者からの質問に対し、相澤会長は6病院団体による最近の調査結果について「病院経営は非常に厳しい状況」と言及。その原因として「医療費(診療報酬)で得られる医療収入を超えるスピードで費用が増えている」と指摘しました。特に「人件費に加え、材料費や委託費が急激に増加している」と述べ、社会全体のインフレ傾向が病院経営を圧迫している現状を説明しました。

関連記事:病院団体調査で7割超の病院が赤字

医療費削減案への見解

自民党・公明党・日本維新の会による「医療費4兆円削減」案については、「病院はどんどん消えていく」と危機感を表明。「短期的な対応と長期的な対策を分けて考える必要がある」とし、「もし医療費を4兆円削減するのであれば、経営支援のための4兆円を注ぎ込まなければならない」と主張しました。

関連記事:病院経営の悪化深刻、自民・公明・維新の医療費削減方針に業界から懸念の声

医師の働き方改革の課題

医師の働き方改革については、施行から1年が経過し「若い医師からは、やっていることは変わらないのに時間だけの管理になっている」との声があると指摘。「単なる時間管理のテクニックではなく、医療提供体制の抜本的改革と医師が働きたいと思える環境づくりが重要」との見解を示しました。

まとめ

相澤会長は記者会見の最後に、「病院がになっている入院医療が地方から消えていくことは国民にとって大変な状況を生じさせる」と強調し、医療政策の議論において「感情論ではなく科学的に議論していくことが必要」との考えを示しました。日本病院会は会員数拡大と組織力強化を通じて、厳しい経営環境に置かれた病院の声を集約し、持続可能な医療提供体制の実現に向けた政策提言を続けていく方針です。

2582→3000病院、日本病院会が会員拡大計画 ー 医療費削減政策に対抗

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