患者アンケートに「当院を友人や同僚に勧めたいですか」という10点満点の設問を見かける機会が、リハビリテーション領域でも増えてきました。背景にあるのが、ビジネス界で広く使われてきた指標、NPS®︎(Net Promoter Score:推奨意向を1問で測る手法)です。本記事では、NPS®︎がリハビリ部門の経営指標として本当に使えるのかを、海外の系統的レビューと現場運用の両面から整理します。後半では、もし導入するなら避けるべき6つの落とし穴と、併用すべき指標のテンプレートをまとめました。
2026年6月施行の診療報酬改定(本体)で、リハ関連の3点が同時に動きました。土曜日・休日のリハ提供強化、ベースアップ評価料の拡張、入院初日〜3日目の早期リハを60点/1単位で評価する一方ベッド上リハには減算──の3点です。「働く側の事情」が改定の中心軸に立ったのは、近年の改定では特に異例な構成。本特集では1974年(昭和49年)のリハ料新設から2026年改定までを、現場の働き方と経営インパクトを軸に7つの転換点でたどります。PT・OTとは異なる時間軸のST史も番外コラムで併走させます。
通所リハの送迎車が一台500万円なら、その10%の50万円は介護事業所がそのまま負担する。訪問リハの燃料費・車両維持費、老健の建て替え、特養のオムツ・消毒液・寝具一式、デイケアのリハ機器更新――介護現場が日常的に支払う消費税は、診療報酬と同じく「最終消費者に転嫁できない構造」のまま、事業者の身銭となって積み上がってきた。介護保険制度がスタートした2000年4月から26年。この「見えない税」を介護分野でどう扱ってきたか、医療版「損税37年史」と対をなす介護版を整理する。
訓練室の改修が先送りになりかねない、機器更新が滞り得る、新規採用が抑制につながる可能性がある、回復期リハ病棟の人員配置を「ぎりぎりの最低基準」で維持せざるを得ない――。リハ職が現場で感じる"締めつけ"の根底には、診療報酬の伸び悩みだけではない、医療界が「損税(そんぜい)」と呼んできた構造的な税の問題がある。本特集では、1989年の消費税導入以前から2026年4月現在までの全史を、制度史と病院経営への実害の両面から整理する。