私は来月、バイザーとして初めて実習生を担当することになりました。
ですが、とても不安です。諸橋先生は実習生に対してどういう事を気にかけてやっていますか?
実習生をリラックスさせて、その職場に早くなじませてあげることが大切です。
具体的には、まず職場の仲間に入れてあげるという気持ちが大事だと思います。実習生としてではなく、その学生を一人の人、社会人としてみて、興味関心を持ち、いろんな視点でコミュニケーションを取ることですね。
病院全体で取り組んでいる良いことを教えてあげることも大事ですね。
実習生はバイザーの所でも、リハ室にだけ実習に来ているわけでなく、その病院に実習に来ているのだから、他部門などどんどん病院の良い所をみせてあげるといいんじゃないかなと思います。
私の職場では回復期病棟で、看護の立場で病棟実習などを実施しています。
あと、これは実習生に限ったことではないですが、褒めることが大事だと思っています。
褒めることでモチベーションや態度が変わってきますしね。
逆に、実習生のモチベーションを下げている人って多いです。
バイザーと実習生の関係は、バイザーが自分の知っていることしか教えないからフェアじゃないですよね。
実習生の知りたいことは別にあるかもしれません。
また、最近だと基礎知識であれば実習生の方が詳しかったりするかもしれないですから。
実習生の新鮮な質問から新しく気づくこともあり、実習生から学ぶことさえあると思います。
あまり指導者だと気負わずに、実習生の質問に対して、バイザーも一緒に調べてくるとか、そういう謙虚さや、その時々の悩みごとに対して一緒によりそうことが大事ですよね。
我々も、実習中は同じような想いや経験をしたのだから、より共感できると思います。
「苦しい想いをしたことが学習につながるか」というと言われても疑問符がつく人が少なくないのでは?だからこそ、新たな関わりを持った実習が必要なんですね。
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- *諸橋先生インタビュー
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諸橋 勇先生経歴
昭和59年理学療法士免許
国立病院、労災病院、東北大学病院を経て、現在いわてリハセンター勤務
東北大学大学院医学系研究科障害科学専攻 修士課程修了
【その他】
日本神経理学療法学会 運営幹事
青森県立保健大学臨地教授
山形県保健医療大学臨床教授
専門理学療法士 (神経)
認定理学療法士(脳卒中)
【著書 分担執筆】
モーターコントロール 第1版、第2版 翻訳
臨床評価指標入門
理学療法ハンドブック
(編集、執筆)