作業療法士会に関わり始めたキッカケは?
ーーー先生はなぜ作業療法士になられたのですか?
錠内先生:急性期病棟で働いている叔母に、「医療の中では、これからはリハビリだ」と言われたのがきっかけで養成校に進学することを決めました。
当時は「リハビリ」と聞くと、平行棒での歩行練習とか、今でいう理学療法のイメージでしかありませんでした。
私が受験したのは国立療養所付属の学校で、理学療法士になるか作業療法になるか二択の学校でした。
私は第一志望を理学療法、第二志望が作業療法で出願したのですが、合格したのが作業療法でした。
でも、ショックとかそういうことはなく、リハビリに関わる仕事というので特別差を感じたことはありませんでした。
ーーー学生時代は?
錠内先生:学生時代はなあなあに過ごしてましたね。
全寮制だったので、だらだらと過ごしている感じ。
留年も一年しました。
卒業してからは、今までずっと日本鋼管病院に勤めています。
神奈川県作業療法士会に関わるようになったのは、もともとは学術部の部員からでした。
知り合いが学術部にいたので誘われて、その手伝いをしていて。
全国学会が神奈川県であったときに、総合案内係の長に指名していただき、そこで初めて、県士会の中で誰かに指導するということをしました。
それからは作業療法推進月間という作業療法を広報・啓発するような活動の長をした後に、日本作業療法士協会の広報部長に抜擢していただきました。
そのころは作業療法士になって10年目くらいのときで、ちょうど作業療法の面白さも分かってきてた頃です。
理学療法と作業療法どう違う?
錠内先生:これは私だけじゃないと思いますが、「理学療法と作業療法のどこが違う?」って聞かれたときに明確な答えが出てこないってずっと思っていたんですよね。
この病院(日本鋼管病院)はもともとスポーツ理学療法で有名な病院で、私は理学療法士さんが機能的なアプローチを力入れてやっているのを横目で見てきたので。
機能的な部分で、作業療法士としての色を出さなければいけないとずっと思っていました。
協会の広報活動をするために、地域のなかで活躍する作業療法士など全国の色んな作業療法士と関わってきて、それだけではないと分かったときに自分のなかでスッキリしたし、安心もしました。
身体障害だけじゃなくて、発達障害や精神科領域であったり、作業療法士がアピールできるようなポイントっていうのはすごい世の中に溢れている。
それを実際、現場でやっている作業療法士がうまく伝えられていない。
広報活動をしていく中で、自分が思ってた作業療法士の世界って本当に狭いんだなって思ったし、本当に作業療法士って面白いなと思いました。
*目次
【第1回】理学療法と作業療法の違いとは
【第2回】エビデンスをつけることこそがプロ
錠内先生経歴
昭和41年6月28日 岩手県にて出生
この年は作業療法士の第一回国家試験が実施された年でもある
また父親の命日でもある
平成元年 国立犀潟療養所附属リハビリテーション学院卒 日本鋼管病院入職
平成11年 介護支援専門委員取得(第一回) 放送大学卒
平成15年 神奈川作業療法士会 事務局長
平成19年 神奈川県作業療法士会 副会長
同年 社会法人日本作業療法士会 広報部長
平成27年 神奈川県作業療法士会 会長
現 在
○一般社団法人神奈川県作業療法士会 会長
○神奈川県医療専門職連合会 常任理事(前会長)
■主な書籍
リハビリテーションの新展開(共著)
作業療法における上肢機能アプローチ(共著)
福祉用具・住環境整備の作業療法(共著)