東ティモールってどんなところ
東ティモールは21世紀初めての独立国として、みなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。400年以上のポルトガル植民地から独立後、インドネシアからの併合を経て、2002年に独立を果たした比較的新しい国です。
まだまだ貧しいイメージかもしれませんが、首都ディリでは欧米やアジアからの輸入品や支援団体も多く、生活に困ることはありません。しかし、首都から少し場所を移すと、未整備の道路や独立紛争時の傷跡をみることができます。
東ティモールの医療事情
東ティモールには首都の国立病院、地方五県に地域拠点病院、そして各県の地域ごとにCHC(Community Health Center)や個人診療所があり、国民は無料で医療を受けることができます。
また実費負担のプライベートクリニックも首都に存在します。しかし、東ティモールの医療施設には薬や備品が慢性的に不足しており、対応の難しい重篤患者はインドネシアやシンガポールに搬送されます。
また地方では、トラディショナルと言われる伝統医療も存在し、地域の人々から支持を受けています。
東ティモールのリハビリテーション事情
東ティモールにはリハビリテーション専門職の養成校はなく、国外で取得するのが一般的です。1995年に東ティモール人の理学療法士が誕生しましたが、現在までに国内の有資格者はPT/OT/ST合わせても20人に満たない数となっており、まだまだリハビリテーションは普及していません。
首都の国立病院と国立リハビリテーションセンターに有資格者が集中していることもあり、地方の患者は首都に泊まり込みでリハビリテーションを受けにいく場合もあります。プライベートクリニックでも、安定してリハビリテーションを提供している施設はありません。
今回の連載において、PT/OT/POの先輩隊員の方々および東ティモール隊員の協力を受けています。ここに感謝します。
経歴
2012年 広島国際大学保健医療学部理学療法学科卒業(現総合リハビリテーション学部リハビリテーション学科理学療法専攻)
2012年 広島赤十字・原爆病院へ入職。
2016年 平成28年1次隊JOCVとして東ティモールバウカウ県のバウカウ県病院にて現在活動中。
2014年 YMCA米子のマレーシアスタディツアーへ参加。
2015年 タイスタディツアーへ参加。