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第207回 ”障がいがあっても稼ぐ” (株)クリエイターズ 藤島健一先生

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ハーブ農園ペザン

ーーーリハスに就労支援に来ている方は、どういう利用者さんが多いんですか??

 

就労リハス(A型事業所)には現在33人の登録者がいて、約7割が精神障がいをお持ちの方です。(うつ・統合失調症・双極性・アルコール依存など)

 

残りの3割は身体障害(脳卒中片麻痺など)と発達障害です。年齢は若くて20代後半。年上は60代くらいで、平均すると30代〜40代くらいが一番多いですね。

 

リハスファーム(B型事業所)は登録者9名です。精神障害と知的障害が半分半分くらいですかね。A型は知的障害の方はいませんが、B型は知的障害の方が増えていますね。

 

ーーーハーブ農園ペザン代表、俵さんとはどのように出会ったんですか?

 

俵さん:リハスの清掃事業の中で連携している清掃会社があります。その清掃会社の代表が、私の体験農園の募集を見て、やりたいと言ってきたんです。

 

障がい者のために、園芸をやりたいと。 その人たちがきっかけで、障がい者の支援事業の説明会に行ったことがあったんです。それがリハスでした。リハスでどんな人が、どんなことをしているのか興味がありました。

 

藤島さん:立ち上げ当時から清掃事業に取り組んでいましたが、私は障がい者の人たちと農業をしたいとずっと考えていたんです。農業と障がい者ということについても、目に見えない様々な効果があると考えています。

 

暑い日もあれば寒い日もあり、雨の日も風の日も、時には自然の厳しさを感じますが、その自然から感じる中で「生きる意味」を一人一人にもってほしいと思っています。「はたらく」とはもともと「傍(はた)を楽にする」という意味があります。

 

自分のためだけに「傍楽」のではなく、自分の周りの人たちや地域社会のために…なんのために生きるのかといった深い部分を、農業を通して見つけられればと思います。

 

俵さん:私は以前からハーブ園をやっていて、園芸療法を勉強していました。養成校にも教えに行っていて、学校の脇に花壇や畑を作って、課外授業として行っていました。

 

園芸をすることによって、精神的にも身体的にもリハビリになるということは知っていたので、ここ(ハーブ農園)の環境が凄く良いので、精神障がいなどにはとても良いだろうなと思っていました。

 

就労リハス(A型事業所)に通う障がい者からハーブ農園ではたらくことをチャレンジしてみるかという話になり、少しずつ試しながら始めていきましたね。

 

私は、障がい者は、障がいではない。特殊能力だと思っている。その人たちのきっかけとして、農業(園芸)をやっている。

 

藤島さん:私たちは今後は農業と福祉のネットワークを広めようと思っています。いろんな農家を巻き込んで行きたい。

 

就労リハス(A型事業所)の取り組みが実り、今年の4月からリハスファーム(B型事業所)をペザンさんと共に設立することができました。この新しいチャレンジに、ペザン農家の皆さんにはとても感謝しています。

 

今は約10名の障がい者さんとハーブの栽培とハーブの加工商品作りに取り組んでいます。石川県の河北潟という自然を感じることのできるこの場所で、無農薬・無化学肥料で栽培するハーブにはとても力強さを感じます。実際には大変なこともありますが、いろんなハーブの香りを感じながら毎日汗を流していますね。

 

今はリハスとペザンで「農福連携」の基盤を確立しようと取り組んでいます。けれども、リハスとペザンだけで何かをしようと思っているわけではないんです。もっともっと色んな就労支援事業所はあるので、たくさん巻き込みたいと思っています。

 

就労支援事業所を利用する障がい者さんも自立していかないといけないし、本当に障がい者も稼げる仕組みを作らなければいけないです。農家と福祉(障がい者)が連携することで、地域の活性化に繋げ、子供からお年寄りまで様々な人が交流できる環境を作っていこうと考えています

 

 

障害者とのコミュニケーション

 

ーーー障がい者と一緒に仕事をするとなると、ためらう人もいると思いますが、どうやればうまくコミュニケーションが取れるんですか?

 

身体、精神、知的などいろんな障がい者がいるのでそれぞれの難しさはあると思いますが、 共に作業(仕事)をすることがコミュニケーションの基盤だと思いますね。

 

いろんな作業を与えて何ができるのか?何に興味があるのか?が見えてくると、自然とコミュニケーションが生まれてきます。コミュニケーション=会話ではないと思います。

 

農業には植物の栽培・成長から必ず何かを感じることができます。障がい者本人にあった、よりよいコミュニケーションが見つかることも多いと思います

 

 

【目次】

第一回 精神科作業療法の基盤

第二回障害があっても稼ぐ

第三回 障害者と農業

 

藤島 健一先生の経歴

資格:作業療法士・認定作業療法士

所属:訪問看護・リハビリステーション「リハス」

就労支援部 サービス管理責任者

(株)クリエイターズ 取締役

第207回 ”障がいがあっても稼ぐ” (株)クリエイターズ 藤島健一先生

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