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#6 オーストラリアと日本。仕事面での違い【こんなところに療法士|江戸 英明先生】

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現在の仕事内容 

私は現在、西オーストラリア州にあるパースと呼ばれる街で、大学院に通う傍、クリニック勤務をしています。

 

開業権が認められているオーストラリアでは、他の先進国(アメリカ、イギリス、ニュージランドなど)と同様に、筋骨格系疾患を有する患者さんが医師を介することなく、直接PTクリニックに訪れます。

 

そのため、クリニカルリーズニング(臨床推理過程)を用いて診断名を出し、それに沿った治療・マネジメントを行っています。

 

実際に統計を出しているわけではありませんが、担当している患者さんの6~7割は脊椎疾患(急性・慢性腰痛、肩こり、むち打ち障害など)で、残りの3~4割がその他の疾患(肩峰下疼痛症候群、大腿膝蓋疼痛症候群、足関節捻挫など)という印象です。

 

大学院では、筋骨格系疾患に対する最新治療の動向、慢性疼痛に対するマネジメント、徒手療法など様々なことを学んでいます。

 

中でも特に私が興味深かった分野は、慢性疼痛患者に対するマネジメントとして、痛みとはそもそも何なのかという理解から始まり、慢性疼痛患者の心身で起こっている変化などを科学的な視点から理解していくことが、今まで自分の中にあった疑問を解決してくれる手助けとなりました。

仕事面で日本との違いを感じること 

日本との相違点としては、ダイレクトアクセスシステムが存在するために、PTは鑑別診断を行う能力が求められます。

 

患者さんが理学療法適応であるかどうかをPTが自らスクリーニングし、もしPT適応外(レッドフラッグス:骨折、悪性腫瘍、馬尾症候群など)と判断した場合には、PTが医師に紹介状を書くということも行なっています。

 

また、外傷などによる骨折や靭帯損傷の有無を判断するために、オーストラリアのPTはX線や超音波などへの紹介状を書くこともできます。

 

このように、オーストラリアと日本のPTの違いといえば責任感の大きさですが、日常的な業務での違いもいくつかあります。

 

例えば、日本では職場の上司がまだカルテを書いていると、先に帰りにくい雰囲気がありますが、こちらのPTは自分の業務が終わると時間通りに帰宅します。

 

業務後には、家族や趣味といった‘自分の時間’を大切にしています。

 

また、私が実際に担当させて頂いている患者さんの国籍などを見ると、移民国ということもあり、イギリス、ニュージランド、シンガポールなどの国々の方が現地で生活をしており、各国の観光地や文化などの話を治療中に聞けることも、海外で働いていることの楽しみの 一つです。

 

次のページ>>理学療法士免許を取るには?3種類の選考方法について

*目次

【第一回】オーストラリアで理学療法士免許を取るには?

【第二回】オーストラリアと日本。仕事面での違い

【第三回】言語をどのように習得したか

#6  オーストラリアと日本。仕事面での違い【こんなところに療法士|江戸 英明先生】

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