2017.10.24

第三回：地域の”かかりつけ理学療法士“【株式会社アールイーコンセプト代表取締役｜理学療法士　山口良太先生】

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生まれてから死ぬまで

山口先生　私の勘違いでなければ、おそらく“かかりつけ理学療法士”という言葉を用いたのは、私が最初だと思います。会社を作る前から地域の”かかりつけ理学療法士”をやりたいと、周りには語っていました。まず「かかりつけ理学療法士」と聞いて、はじめに沸くイメージって何かありますか？

―　かかりつけ薬局みたいに身近に困っていることを相談したり、体の悩みなどを相談できるイメージですかね。

山口先生　そうですね。医療に限らずいろんな相談が出来る存在です。医療ですと、時系列で追っていく必要がありますが、そうではなく、「生まれてから死ぬまでみられます」というように、何かあったら対応できるようなところであり、そういう理学療法士です。

私が病院に勤務していた時も、在院日数がだんだん減ってきて、関わる時間がどんどん削られていきました。でもそれも、上手くネットワークを組むことができれば、「地域の人たちは、こんな風に生活していますよ」と、情報を交換できるかもしれないと考えました。

病院では現状難しいですが、それでも長い人生に関わる理学療法士になりたいと思い、今は地域のかかりつけ理学療法士という自覚をもって活動を行なっています。かかりつけ理学療法士であれば、病気のその後もその前も、その間も関わることができると。全部ひっくるめて担当することのできる理学療法士をイメージしています。これが、弊社アールイーコンセプトの理念でもあります。

その手段として、デイサービス、訪問看護ステーションを保険業務としてやっています。それ以外の予防に関しては保険適応外ですので、パーソナルフィットネスという形でお受けしています。

あとは、日本理学療法士協会が普及推進しているシルバーリハビリ体操指導士のモデルとして、弊社では、六甲コミュニティスクールという集いの場をつくり、地域の健康増進を担ってくれる人材（ヘルスケアマイスター）を育成して、健康づくりの地産地消を図るプロジェクトを進めています。

そこに弊社の理学療法士が参画して指導を行っています。灘区の補助金をもらいながらの事業ですので、収益性ありきではありませんが、これがきっかけで地域のインフラになるような効果も期待しています。

これらの取り組み全てが、かかりつけ理学療法士の理念であり、アールイーコンセプトのコンセプトであり、今はそういう環境づくりの最中です。

ー「かかりつけ理学療法士」が登場するラジオ番組をやられていると伺いました。少し内容を教えていただけますでしょうか？

山口先生　ソラトニワ梅田というインターネットラジオステーションでやらせていただいています。これはいろんなご縁でやることになったのですが、理学療法や理学療法士をもっと知ってもらうためのインターネットラジオなので、わりと若い人が聞いてくれています。

阪急梅田駅にある阪急百貨店9階の催事場の一角にスタジオがあるので、イベントを通してラジオを放送することもあります。例えば、百貨店内で売っている健康グッズを使って、いろんなエクササイズなどを紹介することもあります。

大切にしている事は、ただの宣伝としてではなく、正しい情報を伝えることです。ですので、アールイーコンセプトのことばかりをひけらかすことはしません。「Dr.Ryo-T」という、ちょけた名前でやっていますし。笑　硬くなりすぎず、こういった活動を通して理学療法を広めていけたらと考えています。

また、神戸大学の科学技術イノベーション研究科の瀧和男先生主導のもと、AIとITを活用したアクティブエイジングプロジェクトが進行しておりまして、ご縁があってそこにも参画させていただいています。。

内容としては、定年退職後の方を対象に、退職後に何もしなくなることで生きがいを失うと、身体機能も認知機能も低下するリスクがあるということに気付いてもらい、生きがいを見つける場所とコンテンツを提供しようという取り組みです。

退職後といってもあらゆるスキルをもっている方が多く、そのスキルを活かせる場所の提供を行います。経理に長けている方であれば、ＮＰＯの経理を頼んだり、英会話ができる人であれば、それを地域の中で生かしてもらう活動です。そういう方たちに来てもらい、ＡＩを使ってマッチングをしようとしています。

その中に、前出のコミュニティースクールの仕組みを取り入れていただいき、退職後の方にヘルスケアマイスターになっていただこうという計画です。