「ピラティス※」の叡智を、待ったなしの超高齢社会、日本の医療・保健・介護へ、より良い形で浸透させるために!
※(〇〇ピラティスではなく)総称
武田先生 私はもともと日本で初めてとなる医療者のためピラティス指導者の養成講習会を2005年に始めてから継続的に約10年間、米国・マイアミが本部のポールスターピラティスという国際的に医療分野でも使われているピラティス教育団体のプログラムを提供してきました。
1999年に米国、セントフランシス・メモリアルホスピタルで私が初めて見たのがその団体のピラティスだったから、この団体を選びました。いろいろな〇〇ピラティスの中でも米国を中心に海外において医療の中でも活用されている実績がある総合的(コンプリへシブ)なピラティスということで、私自身がマイアミにまで出向いてアジアの医療職で最初となるポールスターピラティスのコンプリヘンシブ(総合)資格であるピラティス・リハビリテーション指導者の資格を2005年に取得しました。
その直後、そこの代表から、日本でこの資格者養成講習会をしてもらえないかと依頼を受け、私自身も医療にも活用できる質の高いピラティスとその叡智を日本にも広げることは非常に有益と感じたので、契約を交わし、私が日本に持ち帰りホストセンターとしてこれまで提供してきました。
当初は養成講習をすることができる海外のエデュケーター(教育者)を招き行ってきましたが、私自身は、認定指導者として2010年に国内で最初にコンプリヘンシブ(総合)資格のピラティス・エデュケーターとして、また、ピラティス・リハビリテーションのエデュケーターとしても認められ、その後、認定指導者の養成教育に実際に当たってきました。
2015年にホストセンター契約の更新時期を迎え、それまでの10年間養成講習を日本で提供してきた中で、様々な改善すべき点が見えてきました。
そこで、それについて私のピラティスの師であり、国際的にもピラティスの先達としても知られる幾人かの方々に相談すると、
ー
「これまで約10年間でこんなにも実績を残して、多くのピラティス指導者だけでなく日本国内において、また、医療においてもピラティス自体の知名度を上げ、育成・発展にも寄与したのだから、もう今後は、Dr.武田が日本の医療システムや独自性も考慮に入れたよりキメの細かい指導者の養成プログラムを自分たちで始めてもいいのよ!」
ー
と、心強いアドバイスを戴き、契約は更新せずに、Motor Control :ビヨンド・ピラティスを2017年より(本格的な始動は、いよいよこの2018年の第2期からです!)私達自身の手で創ることとしました。
その際に、コンセプトとして私が大切にしたのは、ピラティスの本質がContrology(ピラティス氏の造語であり、コントロール学の意。即ちこの言葉の中には、Motor Controlも含まれている)であるということと、
さらには第一世代ピラティス・ティーチャー(ピラティス氏の直弟子のことをそのように呼ぶ)であり私が最初に日本に招いたメアリー・ボーエン女史から教わった「ジョー(ピラティス氏のこと)は優れたinnovatorだったのよ!常にContrologyを改善・向上させるためにinnovationしていたのよ」ということから、「Contrology」と「 innovation」を大切にしたプログラムを作ることとしました。
「ピラティスとは、正にピラティス氏自身がそうしたようにContrologyを超えてさらにその先へ、さらにその先へとinnovationしていくことそれ自体」。ここから「Motor Control : ビヨンド・ピラティス」の「ピラティスを超えたその先へ」という概念が生まれました。
私はDr.ですが、実際にプログラムを創り切り拓いて進めていく上では、人柄が良く、強い信念と心・技・体においてバランスの取れた能力、そして行動力を持つ「理学療法士兼ピラティス指導者」の存在、協力が欠かせません。幸いにもそれまでの私のエデュケーター活動の中で、そのような人物を知っていましたので、そのトップとも言える二人、増渕PTと岩根PTに手伝ってもらい一緒に創りました。
また、私達は開発するに当たって、日本国内でピラティスを指導する上においては直接的に関係するものではないけれど、プログラム開発の当事者である私達自身が、グローバル・スタンダードをクリアーしていることの証として、一応はPMA-CPT(Pilates Method Alliance*1 Certified Pilates Teacher)の資格も取得しておくこととしました。
ここに”世界初”となる、医師と理学療法士のPMA-CPT3人が共同開発した「Motor Control : ビヨンド・ピラティス」が誕生したのです。
※1Pilates Method Alliance*(PMA)
ピラティスの国際的な非営利組織であり、JoeとClaraの精神が未来の世代に受け継がれること、また、世界中のピラティスの指導者のプロフェッショナルな水準(スタンダード)維持と継続教育の確立を目指している。米国では2012年にPMA資格試験プログラムが全米資格認定委員会(NCCA)より認められ、現在、英語、スペイン語、およびポルトガル語で試験が施行されている。
少なくとも医療・保健・介護の中でピラティスを活用するという意味においては、ピラティスにいろいろな別々の流派があるというのは本来、ピラティスという医科学的に有効なものを裾野広く拡げていくという意味においてはあまりよくありません。
そもそも、ピラティス氏はピラティスを広めようと活動していたわけではありません。“コントロロジー”という造語(コントロールとロジック、即ちコントロール学)の通り、自分自身をコントロールするための理論と実践を伝えたのです。
また、ピラティスという言葉自体も、「ピラティス」という言葉は総称かどうか⁈という裁判があり、既に「ピラティスは総称である」という判決が出ている言葉なのです。
「世界中の一人一人が、自分自身の心技体を今よりも少しでも上手に使えて、コントロールすることができれば世界はもっとよくなるはずだ」と、いうことがピラティス氏の最大のテーマであり、また、それこそがピラティスの本質だったのではないかと思います。
ビヨンド・ピラティスの創設
武田先生 海外のフィジオでは当たり前のように、ピラティスが浸透し非常に流行っています。先ほどのピラティス氏の壮大なテーマや私のピラティスの師と言える方々からの助言を経て、日本の医療システムや独自性に適合した、効率的にピラティスを習得できる、より実践的なプログラムとして、Motor Control:ビヨンド・ピラティスを創ったのですが、その助言者の中には、2016年Pilates Method Alliance年次国際カンファレンスにて世界のピラティス界における最高の栄誉賞とも言える「Deborah Lessen賞」を受賞したSherri Betz (シェリー・ベッツ)*2女史もいます。
*2:Sherri Betz (シェリー・ベッツ)
(理学療法士、全米理学療法士協会Bone Health委員会委員長、PMA学術部門委員長)
専門教育委員及び全米骨粗鬆症財団のエクササイズ・リハビリテーション諮問委員に選任される。理学療法士、老人病臨床スペシャリストとして20年以上活躍し、ピラティスを用いたリハビリテーションに定評がある。海外のメディアでも取り上げられ、国内外におけるシンポジウムで幅広く講演活動を行う。また、骨粗鬆症に関する研究や執筆活動に力を注いでいる。
「Fletcher Pilates Towelwork®」と「Fletcher Pilates Spine Corrector®」のライセンスを持つ。ピラティスに基づいたメソッドとGyrotonic®を利用した、骨盤安定化と脊柱・骨盤帯への徒手療法は、彼女の理学療法スキルとして不可欠である。
1999年以来ポールスターの講師もつとめた。その間、ポールスターの骨粗鬆症管理のアドバンスプログラムも開発した。現在はポールスターを退き独自に活動の幅を広げている。
高齢者の臨床専門家として、全米理学療法士協会に認定され、現在も州立レクリエーションセンターにて、骨粗鬆症や、バランスと転倒予防のための地域密着型のクラスを教えている。2016年Pilates Method Alliance年次国際カンファレンスにて世界のピラティス界における最高の栄誉賞とも言える「Deborah Lessen賞」を受賞した。
現代の医療はかつてよりも進歩を遂げています。当然クラシカルな理論も重要ではありますが、医療の進歩とともに進化する部分もあるのではないかと思います。
いわゆる「温故知新」が大切です。もし、ピラティス氏が現代に生きていたのであれば、常にアップデートしてより革新的なものを作り続けていたと思います。
私達が、もしピラティス氏だったら今の進歩した医科学的な知識を蓄え、アップデートした場合、きっとこうするのではないか、という想いでプログラムを創りました。
前述の繰り返しとはなってしまいますが、ビヨンドの「〜を超えたその先へ」という意味の通りに、私達はピラティスをも超えてMotor Controlの向上をさらにその先へと目指していきます!という思いを込めて、Motor Control:ビヨンド・ピラティスとしたのです。
そして、ピラティスの第一世代のマスター・ティーチャーであるMary Bowen(メアリー・ボーエン)さんから伺った通りに、この「innovativeなコンセプトそのものが、ジョー(Joseph Pilates:ジョセフ・ピラティス)氏のピラティスです」と言えるのかも知れません。
ー 実際にそこで学べるものはどのようなものでしょうか?
武田先生 ピラティスを教える中で、例えばその動きを作れない方がいたとします。そうなれば、インストラクターなり理学療法士は、徒手的に形を作りその動きを作り出そうとします。しかし、実際にはそのピラティスの動きができないということは、モーターコントロール的に何か問題があるということです。
であれば、できない動きを外力で固めて作っても、内在的なコントロールは生まれません。つまり、静的アライメントは整いますが動的アライメントには生かされない可能性があります。
本来であれば、目的とした動きを達成するために、自身の内在的なコントロールを用いて学びます。これこそが、コントロールな訳です。しかし、できない動きをいくら練習しても、レベルが高すぎる運動に適していなければケガに繋がります。
そこで、完成させたい動きよりも、少し負荷量を落とした環境下で、基本的な動きに分解して自身のコントロールを学び、次のステップに進む指導が必要になります。
これは一部の方法ですが、Motor Control:ビヨンド・ピラティスでは、クラシカルな3つの基本理念であるホールボディコミットメントも指導しつつ、最新のスポーツ医科学に基づいたモーターコントロール理論を導入したピラティスをお伝えしています。
最近、海外のピラティスの指導資格を持つ理学療法士の元を見学に行くと、必ずと言っていい程、従来からのピラティスのお決まりの専用器具と共にあるもので2種類突出したものがあります。
それが、CoreAlign®︎とサスペンショントレーニングのシステム(TRXやBodhi®︎など)なのです。特にサスペンショントレーニングのシステムの中でもBodhi®︎は、4つのロープを用いる新世代のシステムであり、臨床上も、トレーニング現場においても幅広く様々な活用の仕方ができることで注目されています。
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私達のMotor Control:ビヨンド・ピラティスでは、ピラティスにとどまらずCoreAlign®︎とサスペンショントレーニングのシステムBodhi®︎も活用しKinetic ChainをClosed、Pseudo Closed、Pseudo Open、Openの4つを自在に組み合わせて、Pilatesだけでは決して得られない、Motor Controlをクライアントにより効率的により効果的に習得してもらえるスキルを、講習会のプログラムの中で実践的に身につけてもらいます。
また、同時に、このようにPTさんをはじめとする医療職の方々に資格取得で人気となったピラティスの資格を取得している人は国内においても既に結構な人数に登りますので、ピラティスの指導者資格だけではその後のプロとしての差別化という意味では課題も残るかと思いますが、その点、まだ日本国内では資格取得者数も数少ないCoreAlign®︎とサスペンショントレーニングのシステムBodhi®︎の指導者資格も併せて、トリプルの資格を取るチャンスがあることは、実践上も、キャリア形成上もこの上もないメリットと言えます。
また、実際にこれら三つを同時に習得すると指導者としての理論・実践・指導力の三拍子が増幅して身に付くのです。そのようなコースは、実は日本にCoreAlign®︎とサスペンショントレーニングのシステムBodhi®︎を最初に導入した本人である私、武田が代表を務めるこのMotor Control:ビヨンド・ピラティスをおいては他にありません。
ー ありがとうございます。最後になりますが、先生にとってプロフェッショナルとは?
武田先生 ”自分の身の程を知っている人のこと”もっと言えば、できないこと、わからないことをできない、わからないとはっきり言える人。また、それも含めネガティブ、ポジティブなことに限らず、全ての経験が、これからの自分の糧になるポジティブな経験だと捉えられる発想を持ち、実際にそのように行動・継続できる人のことだと思います。
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ー完。
【目次】
第二回:一流の医師から学ぶ仕事の流儀
第三回:自分にも患者にもコミットメント
最終回:ピラティスを越えたその先へ
武田淳也先生のプロフィール
<経歴>
平成 5年 福岡大学医学部卒
平成 5年 福岡大学病院 整形外科教室入局
平成 7年 臨床研修修了
平成 7年 福岡市保健福祉局 中央保健所 予防課医師(在職中、国立公衆衛生院長期研修、結核予防研究所長期研修)
平成11年 福岡市保健福祉局 東保健所 予防課予防係長(医長級)
同年 以降 広島県立病院麻酔救命救急治療科、島根医大整形外科、アメリカへスポーツ医学研修留学(7医療機関)、整形外科進藤病院、川嶌整形外科病院、船橋整形外科スポーツ医学センター、アメリカへピラティス・リハビリテーション 認定資格取得コース等、国内外で研修、勤務
平成17年 Polestar Pilates(米国マイアミ本部))にてピラティス・リハビリテーション指導者資格取得、
同年 福岡市にスポーツ・栄養クリニック開業
平成18年 Pilates Lab福岡開業、日本ピラティス研究会設立
平成20年 Pilates Lab代官山開業
平成24年 スポーツ・栄養クリニック薬院 通所リハビリテーションセンター開業
平成25年 スポーツ・栄養クリニック代官山開業
同年 ストレッチ&コンデッィショニングDr.Plus開業
<資格・所属学会・団体など>
- 日本整形外科学会認定専門医/認定スポーツ医/認定運動器リハビリテーション医/認定脊椎脊髄病医/認定リウマチ医
- 日本体育協会公認スポーツドクター
- 日本医師会認定健康スポーツ医/認定産業医
- 日本骨粗鬆症学会認定医
- 日本臨床内科医会認定臨床内科専門医
- 日本糖尿病協会療養指導医
- 認定認知症相談医
- 日本抗加齢医学会認定専門医
- 義肢装具判定
- 介護支援専門員
- 全日本スキー連盟公認指導員/検定員/ドクターパトロール
- 日本ピラティス研究会会長
- Motor Control: ビヨンド・ピラティス®代表、クリエーター
- PMA-CPT(Pilates Method Alliance Certified Pilates Teacher)
- Core Align®認定インストラクター、ファカルティトレーナー(日本に5人のみ)
- Bodhi サスペンション・システム認定インストラクター、ファカルティトレーナー(日本に2人のみ)
- Pfilates®認定インストラクター(ファカルティトレーナー、アジアエリアコーディネーター)
- カラダ取説マスター・シニアエデュケーショナル
- 日本整形外科学会 会員
- 日本臨床整形外科医会 会員
- 日本整形外科スポーツ医学会 会員
- 日本関節鏡・膝・スポーツ医学会 会員
- 日本臨床スポーツ医学会 会員
- 日本運動器科学会 会員
- 日本腰痛学会 会員
- 日本ダンス医学会 会員
- 日本骨粗鬆学会 会員
- 日本抗加齢医学会 評議員
- 運動器抗加齢医学研究会 世話人
- 日本肥満学会 会員
- 日本糖尿病学会 会員
- 日本臨床内科医会 会員
- 全日本スキー連盟 会員
- PMA(Pilates Method Alliance) 会員
- 日本ピラティス研究会 会長
- NPO法人芸術家のくすり箱 プロフェッショナル会員(ダンサー、芸術家のメディカルサポート)
- 日本カラダ取説協会 会長
- 広域医療法人明和会 スポーツ・栄養クリニック理事長
- Pilates Lab(代官山・福岡)代表
- ストレッチ&コンデショニングDr.Plus 顧問
- ToeSox Japan 顧問
- 日本経済大学健康スポーツ経営学科客員教授
著書
12月9日(土)ビヨンド・ピラティス無料体験会の詳細
東京会場:12月9日(土) 15時~18時
場所:Pilates Lab代官山スタジオ
〒150-0021
東京都渋谷区恵比寿西2丁目21−4 代官山パークスビル3F
内容:
・ピラティスの効果、エクイップメント(器具)を使ったピラティス体験
・立位でのMotor Control 改善に最適な、新時代トレッドミル「CoreAlign®」体験
・クライミングロープを使ったサスペンション等ツールの機能的進化版「Bodhi Suspension System®」体験
・臨床応用・予防事業へ展開の提言・ディスカッション
第二回満員につき急遽、第三回(12/9)開催決定!