筋ジストロフィーは、骨格筋障害に伴う運動機能障害を主症状とする、遺伝性の筋疾患である。
その中でも、成人に最も多い病型である「筋強直性ジストロフィー」の筋肉が萎縮する仕組みを大阪大学の研究グループが解明した。
中森助教らは、重症患者10人から採取した筋肉の細胞を詳しく調べた。その結果、インターロイキン6(IL6)というたんぱく質が大量に作られていることがわかった。IL6には激しい免疫反応を引き起こす作用があり、筋肉を維持するバランスを崩しているらしい。
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インターロイキンとは、免疫反応の主体である白血球から産生されるたんぱく質で、標的細胞となる受容体に結合しT細胞、B細胞などを活性化、さらに抗体産生亢進、分化・増殖誘導、炎症の誘導や抑制などの生理作用を起こす。
これらの免疫反応のバランスが崩れる事で、筋の萎縮が生じるとされている。
筋強直性ジストロフィーの特徴は、筋強直現象であり、筋の弛緩が出来なくなり手足の動きが進行的に障害される。また、筋萎縮と筋力低下も同時に起こる為、リハビリテーションも機能維持にとどまり、根本的な治療法はないとされている。
しかし、今回の研究が発展し、筋ジストロフィーの進行を抑えることが出来るようになれば、そこから萎縮した筋の強化や再教育などを患者様に提供するのは、身体機能の専門家である我々療法士の仕事である。
今後の展望に注目したい。