キャリアコンサルタントが徹底サポート

第一回:寄本イズム【合同会社Smile Space 共同代表 / 一般社団法人 変わる!介護 理事 理学療法士 小川順也先生】

5717 posts

【9/28】小川さんによるワークショップ開催決定!「自走する地域コミュニティーの築き方」講座は

>> 詳しくはこちら <<

 

鬼の実習

― 理学療法士になったきっかけを教えてください。

小川先生 中学校の頃、祖母が片麻痺になって病院でリハビリをしているのを見学した時に療法士の仕事を知りました。

 

祖母が退院してからは一人暮らしをしていて、たまに遊びに行っていたんですが,なんとなく「もう少し良くできるんだろうな」と思っていました。その後、高校生になって自分の将来について考えた時に、自分が理学療法士になって良くしてあげたいと思うようになり、理学療法士の学校に進学することにしました。

 

ー それで国立精神神経医療研究センター病院(NCNP:National Center of Neurology and Psychiatry)という神経難病専門の病院に就職した理由は?

 

小川先生 大学の実習で、国府台病院に行かせていただいたのですが、その時のスーパー バイザーの玉田さんと寄本さんという以前の職場の上司に出会い、その二人が私の人生を大きく変えたと思っています。

 

寄本さんはその時、別の病院にいたのですが実習が始まる前の日に実習地の先生にバーベキューに誘われて、そこで知り合いました。

 

国府台病院には寄本イズムがすでに浸透していて、実習が始まる前に論文が5,6個送られてきて「事前学習をしてきてください」って言われるんですよ。

 

実習が始まると、「画像所見や血液データを2週間でマスターしよう!」って言われて、毎朝チェックしては、患者さんの全身状態を考察していました。

 

ケースレポートも2症例書きましたし、それ以外にもトータル17人くらい患者さんを担当しました。それも病院に雇われているセラピストと同じように、評価や治療プログラムを 考えていました。

 

今、思い返しても鬼ですね(笑)

 

ー 辛い実習だったんですね。

 

小川先生 いやそれが、楽しかったんですよね。すごく楽しい実習でしたし、あれがなか ったら今の私はいないと思っています。

 

以前、勤めていたNCNPに就職するきっかけも寄本さんが関わっていて、その病院でカフアシストの講習会に寄本さんが講師をするということで一緒に連れて行ってもらったこと がありました。

 

 講習会の後の懇親会でリハビリ科の先生に挨拶した時に、「来年求人募集出るんだけど来 ないか」と誘っていただきました。(その時は冗談だったのかもしれませんが笑)

 

その後に病院見学に行った時に、神経難病の方の生活を良くしていくというところに直感 的にやりがいを感じ就職を決めました。

 

ちょうどその年に寄本さんもその時にNCNPに転職してきて入職しました。 これは後で聞いたのですが、その面接官の先生が寄本さんに「動かせる駒を雇った」と話したらしいです。笑

 

それからは4年間、寄本さんの講習会のアシスタントや、学会発表もたくさん経験しました。

 

とても貴重な経験をさせていただいたと思っていますが、同時に病院の中で行うリハビリ の限界も感じました。

 

パーキンソン病の方のコミュニティー「PDcafe」を運営

ー 5年目からは病院を退職し、個人事業主として色々な活動をされていましたね。まず、その活動の一つである「PDcafe」について教えていただけますか?

 

小川先生 NCNPに勤めていたときに、神経難病専門の病院だったのでパーキンソン病(Perkinson Disease)の方のリハビリも多く経験させていただいていました。

 

病院ではLSVT-BIGというエビデンスの高いプログラムも取り入れながら行なっており、集中的に運動を行うことで患者さんの状態がよくなっていくのを経験していく一方で、患者さんから退院すると「運動する場所がない」という悩みを聞かれました。

 

そこで、パーキンソン病の方が病院を退院しても継続して運動できる場所を作ろうと思い、 同期の佐々木さんと一緒にPDcafeを始めました。

 

PDcafeはただ運動を行うだけでなく、パーキンソン病の方が日常で困っていることを他の 当事者の方に相談したり、当事者間で問題を解決していく場にもなっています。

 

ー 当時は小平のみで行っていましたが、今は全国的にも活動していると聞きました。

 

小川先生 現在は7支部(小平・世田谷・武蔵小杉・横浜・新潟・山梨・広島)で開催しています。

 

ただ地域で、運動する場所がなくて困っているというパーキンソン病の方は本当に多いので、自分たちのところで開催したいという方は是非お声がけいただければと思います。

 

スタッフも理学療法士だけでけでなく、ピラティスのインストラクターや鍼灸師、患者さんも混ざりながら主体的に運営を行っていただいています。

 

パーキンソン病の方のためのボイストレーニングやピラティスも開発したり、日本パーキ ンソン病コングレス2015 in 水戸ではポスター発表と学術的な活動もしました。

 

【9/28】小川さんによるワークショップ開催決定!「自走する地域コミュニティーの築き方」講座は

>> 詳しくはこちら <<

 

【目次】

第一回:寄本イズム

第二回:障害=不幸?

第三回:ゼロイチ。当事者の声をカタチに

 

小川順也先生 プロフィール

2011-2015 国立精神・神経医療研究センター病院 

2015- 一般社団法人 変わる!介護 理事

2017- 合同会社 Smile Space 共同代表

▶︎ 合同会社Smile Space

▶︎ PD Cafe

▶︎ 一般社団法人 変わる!介護

第一回:寄本イズム【合同会社Smile Space 共同代表 / 一般社団法人 変わる!介護 理事 理学療法士 小川順也先生】

Popular articles

PR

Articles