岡山大学大学院医歯薬学総合研究科(歯)生体材料学分野の原エミリオ助教、松本卓也 教授、大阪大学の共同研究グループは、骨が形成される新しいメカニズムをマウスモデルを使って発見した。
▶︎ 岡山大学|軟骨細胞の破裂が骨形成の場を作る!骨ができる新しいメカニズムを発見
大腿骨などの長管骨は、軟骨が形成され、その中央部に一次骨化中心が現れて、骨幹部の骨化が始まる。そしてその後に骨端部にも1つまたは2つ以上の二次骨化中心が現れ、骨端骨化が始まることが知られている。
研究グループはこの二次骨化中心における軟骨細胞肥大化した結果、細胞の一部が破裂し骨形成に必要なスペースができ、この破裂の際に残された細胞膜断片が骨石灰化の開始点になることを見出した。
さらにこの細胞破裂は歩くことなどによって生じる機械的刺激によって誘引されるそうだ。
松本らは「本研究成果は骨の成長に適した環境の理解や新しい骨再生材料の開発につながる」と述べている。
本論文は米科学雑誌「ACS Biomaterials Science & Engineering」ならびに、英科学雑誌「Integrative Biology」のオンライン電子版に掲載されている。