「痩せている女性が美人で健康的」
それが過剰となってしまっている日本では、先進国の中でも「痩せ」の傾向が進んでいて、女性の8人に1人が「痩せ」と判定されている。
そんな痩せている女性は、太った女性と同様に糖尿病の発症リスクが高いという研究結果が報告された。
▶︎ 痩せた女性で筋肉が少ない人ほど高血糖のリスクが高い ~糖尿病発症予防には適切な食事と運動が重要~
対象は、BMI16〜18.5の20代の痩せた若年女性31名と50~65歳までの糖尿病になりやすいとされている閉経後の痩せた女性30名。
75g経口ブドウ糖負荷試験を実施するとともに、二重エネルギーエックス線吸収測定法による体組成測定、プロトンMRS法による異所性脂肪測定(脂肪肝、脂肪筋)などを実施した。
その結果、痩せた若い女性と比較して、痩せた閉経後女性では、糖負荷2時間後に140mg/dL以上となる耐糖能異常を来す人が多くおり、測定した人のうち37%(30名中11名)が耐糖能異常であることが明らかとなった。
また、同年代の女性における耐糖能異常の割合は17%程度であり、それと比較して高い割合となることが判明した。
さらに、痩せた閉経後女性で、どのような人がより高血糖になりやすいか解析したところ、インスリン分泌が低いことに加え、除脂肪体重(全身の筋肉の量を反映)が少ない人、筋細胞内に脂肪が蓄積(脂肪筋)している人ほど、血糖値が高いことが明らかになった。
筋肉は人体の中でブドウ糖を貯蔵する最大の臓器である為、筋肉量の減少や脂肪貯蓄による質の低下が、筋にブドウ糖を取り込みにくくし、高血糖になってしまったと考えられる。
本研究は米国内分泌学会雑誌「Journal of the Endocrine Society」で発表された。