今回は、臨床上大切な『骨盤』にフォーカスしていきます。重要な機能を持っているはずですが、実は基礎的な部分を知らなかった人も多いと思います。ポイントを抑え、明日からの臨床や自分の身体のコンディショニングに役立てましょう!
解剖学的な基礎
・人間の骨では最も[性による形態に差]がある部分。
・3つの骨性パーツから構成されている。
[1対で対照的な2つの腸骨]と[1つで対照的な仙骨]と[尾骨]
※ 腸骨と座骨と恥骨を合わせて寛骨と呼ぶ
・3つの動きが少ない関節
[仙骨と腸骨を結合している2つの仙腸関節]と[2つの寛骨を前方で結合している恥骨結合]
男女での差(男性:青 / 女性:赤)
仙骨:幅が狭く、長い 幅が広く、短い
岬角:大きく突出 僅かに突出
恥骨下角:約70°(鋭角) 約100°(鈍角)
骨盤下口:仙骨と恥骨が前方に突出、坐骨結節は接近
男性より広く、仙骨と坐骨が後方に向き坐骨結節は遠ざかる
臨床を行う上でアライメント評価や触診ターゲットとなりやすい主要部位
骨/関節:ASIS(上前腸骨棘)・腸骨稜・仙腸関節・恥骨結合
筋:腸腰筋・大腿筋膜張筋・中臀筋・梨状筋・大(小)内転筋・薄筋
【ポイント①:各姿勢でのアライメント評価】
体幹の土台となる骨盤の左右差や前後傾などを見る事で、体幹と下肢の関係を予測する。
- 実際に対象部位を触診する事で、左右差を生じさせている筋骨格的な要因を探る。
【ポイント②:リーチ動作での変化をみよう】
- 骨盤自体は動きが大きくない為、座面に対しての股関節と体幹の重心コントロールや腹圧調整の土台となります。左右坐骨への荷重変化や前後傾の関係性を評価する事で、リーチ動作改善へのヒントが非常に多く見つける事が出来ます。
- 骨盤を触れながら、腹部の評価も同時に行い、腹腔(骨盤内)の変化も評価します。
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参考・引用文献
- 坂井建雄・松村譲兒 プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第2版 2011年
- A.I.KAPANDJI (訳:塩田悦仁)カパンジー機能解剖学Ⅲ脊柱・体幹・頭部 原著第6版 医歯薬出版 2011年
- 中村隆一 他 基礎運動学 第6版 医歯薬出版 2012年