先月19日、埼玉県草加八潮消防組合より、埼玉県の作業療法士、市野昌平さんに感謝状が贈呈された。
▶︎ 肺停止の男性に勇気ある的確な行動 ―人命を救ったOT―
市野さんは帰宅途中に駅前で倒れている男性に遭遇。呼吸は死戦期呼吸の様で、頸動脈は触知することが困難。心肺蘇生が必要と判断し心臓マッサージを開始したそうだ。その後、協力者に119番とAEDを持ってきてもらうよう指示。着用していたマスクを口に当てて人工呼吸を実施した。救急隊が到着するころには自発呼吸が戻っていたそうだ。
市野さんは以前に、訪問リハビリテーション実務者研修BASICコースにてBLSの研修を受けていたそうだ。BLSとは、Basic Life Supporの略称で、心肺停止または呼吸停止に対する1次救命処置のことを指す。
意識のない人を見つけた際は、まず周囲の安全を確認し、119番とAEDを要請する。その後、呼吸を確認し、正常な呼吸でない場合は心肺蘇生を開始する。
2015年よりガイドラインの変更があり、訓練を受けてない救助者は胸骨圧迫を100~120回/分のテンポで行う。なお、訓練を受けた救助者は30:2の圧迫:換気比で人工呼吸を追加する。
実際、頭で分かっていてもいざとなると行動できないもので市野さんの行動は敬服に値するものである。我々も、もしもの時に医療従事者として行動できるように、頭でシミュレーションしておきたいものだ。
参考)
BLS:一次救命処置(Basic Life Support)
American Heart Association 心肺蘇生と救急心血管治療のためのガイドラインアップデート 2015