リハビリ業界の成長への想い
ー 臨床業務、出版社、セミナー活動と、幅広くご活躍の園部先生ですが、リハビリ業界への先生の想いを聞かせていただけますか?
園部先生 私の臨床が本当の意味で大きく変わったのは、組織学と力学が結びつくようになってからなんです。
それまでは力学だけに原因を求め、力学だけでなんとかしようと考えていました。でもこれではダメなんです。実際に力学だけで臨床を制している人なんて一人もお目にかかったことがありません。
局所から見て、そして局所の原因と局所の仮説検証を行って、まずは「痛みを拾っている組織と原因を明確にする」ことから始めないといけないと悟ったんです。あまりにも当たり前のこの過程がないから自分は一歩前に進めないんだと気付いたんです。そのことに気付いてから、「局所(組織学)から全体(力学)」という順番を必ず辿るようにしました。この流れになってから画期的に自分が変われました。体幹のことが分かってきたということと、局所(組織学)のことが分かってきたことが、自分の理学療法の中にすごい大きな変化をもたらしてくれました。
そうして臨床を積み重ねる中で、どんどん結果が出せる自分になっていき、「臨床が本当に最高に楽しい!」と思うようになったんです。そしてここまでに行きついた組織学と力学を応用した概念が、多くの人に貢献でき、今後迎える高齢化社会において、健康寿命にも大きく寄与できると分かったんです。私はリハビリ業界のみんなにそう思える仕事をして欲しいし、そう思える療法士になるための環境創りにも貢献していきたいんです。つまり・・・、リハビリ業界全体が成長することに貢献したいと思っています。
人生は短いけど、私自身が70歳位までは真の臨床を追求していきたいと思っています。そして、そんな風に思っている仲間もたくさんできました。下記の写真の臨床家はみな真に臨床を追求していらっしゃるし、そして考えの違いはあっても、互いを尊敬し合い、理念を共有できる先生方ばかりです。
こういった臨床家の人たちと「与え合う関係」をもっともっと築いて、互いが成長していきたいし、協力し合ってリハビリ業界の成長過程を築いていきたいと心から思っています。
考えを共有できる本物の臨床家の先生方
出版社とセミナー活動を通じて、このリハビリの業界の人に、組織学的推論と力学的推論を応用して成長することの重要性をしっかり伝えていきたいし、その意味が分かると誰もが臨床家として成長できるはずです。
そして、「療法士の仕事って、こんなもんかな」と思っている療法士でも、誰もがちゃんと成長できることを伝えていきたいんです。この想いがある限り、私も・・・、リハビリ業界の療法士も・・・、まだまだ必ず成長できると思うし、それが我々のできる本当の社会貢献に繋がっていくと信じているんです。
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