今月18日、筑波大学の本城咲季子助教は、視床の内側腹側核のマトリックス細胞が、大脳皮質を活性化し、覚醒を促進することを見いだした。
▶︎ 覚醒を制御する新たな脳部位の発見 ~視床のマトリックス細胞が大脳皮質を活性化し、覚醒状態を促進する~
視床は末梢からの感覚情報を高次情報処理が行われる大脳皮質に中継する役割を担っており、コア細胞、マトリックス細胞という二種類の神経細胞によって構成されている。コア細胞は外部感覚情報を大脳皮質に伝達することがわかっているが、マトリックス細胞の機能は知られていなかった。
今回、本城助教は光遺伝学を用いて、睡眠中のマウスの視床マトリックス細胞を選択的に活性化し、その影響 を検討した。その結果、視床の内側腹側核のマトリックス細胞はノンレム睡眠から覚醒への遷移を駆動するのに対し、レム睡眠時には効果がないことを明らかにした。また視床が大脳皮質に与える影響がレ ム睡眠時に最も低くなることも明らかにした。
本研究成果は、2018年5月29日にNature communicationsで公開されている。