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脳の性分化「臨界期」よりも前に決まっていた

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 国立精神・神経医療研究センターの研究グループが、小脳や膵臓の形成に関わることが知られている「Ptf1a遺伝子」が、胎児期の視床下部において、脳の男性化や女性化に関わっているという事実を明らかにした。

 

▶ 脳の性別を決定する新たなメカニズムの発見、国立精神・神経医療研究センター

 

脳は、臨界期と呼ばれる時期にテストステロンの刺激を受けると男性化し、刺激がなければ女性化するとされている。

 

しかし、今回の研究では、視床下部から発現しているPtf1a遺伝子が発生しないように操作されたマウスで、臨界期と同様にテストステロン刺激を与えても脳は男性化することなく、またテストステロン刺激を受けない場合、女性化できない事も判明した。

 

よって、臨界期よりも前の段階でPtf1a遺伝子が胎児期で「性分化準備状態」を作り、その後の臨界期においてテストステロンの刺激の有無が脳の性分化を決定することが明らかとなった。

 

性分化によって脳の構造に違いが出現する。まず脳の大きさの比率は、男性の方が女性に比べて大きいとされている。また、女性の脳は男性と違い、脳梁の比率が大きいとされている。男性は左脳にある言語中枢だけを使い、必要な事項を伝えようとするのに対し、女性は脳梁が発達している為、優位半球にある運動性言語中枢(ブローカ野)以外の両方の脳を活性化し会話をする。その為、センチメンタルで繊細な会話ができるのかもしれない。

 

研究の詳細は、科学雑誌「Cell Reports(セル・リポーツ)」にオンライン掲載されている。

脳の性分化「臨界期」よりも前に決まっていた

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