足関節捻挫後の不調

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足関節捻挫(いわゆる足首のねんざ)はスポーツで最も多く起こるけがの一つです。

 

外くるぶしが腫れるような状態でも、1-2週間のうちにスムーズに歩けるようになり、選手の自分の判断でスポーツに復帰する例も多くみられます。復帰までは比較的早いのですが、復帰後はそれほどスムーズに完全な状態に戻れるわけではありません。

 

■ 足関節捻挫後の不調原因

 

理由は以下の3点にあります。

 

(1)捻挫をすると足首が不安定になり、捻挫を繰り返しやすくなる。

(2)捻挫後に一時的に固定(または安静)することにより可動域が制限され、それが回復しない。

(3)捻挫をした足をかばってスポーツを行うため、反対の足や骨盤に負担をかける。

 

 (1)通常テーピングやブレースで何とか再発を防いでいる場合が多いと思います。しかし、足首周囲を圧迫することで、皮膚や皮下組織が圧迫されて筋や腱の滑りが悪くなります。それが何年たっても回復しないような頑固な可動域制限の原因になります。

 

 (2)足首の動きが悪くなると、足首の骨同士の噛み合わせが悪くなって、さらに不安定になります。底背屈方向の運動が制限されるために、余計に足首を捻りやすい横の動きが増大してしまいます。

 

 (3)反対側のねんざや膝のけが、疲労骨折などにつながります。また左右対称ではない運動を繰り返すことで、骨盤にもゆがみが生じ、腰痛を起こしやすくなってしまいます。

 

■ 後遺症の予防のために

 

捻挫の後遺症を最小限に抑えるには、急性期の夜間の管理が重要となります。テーピングやブレースで簡易的に固定しても、睡眠時には足関節底屈位となってしまいます。睡眠時に底屈位を保つことで、

  • ・外果周囲の靱帯にストレスを与えて腫れが引きにくくなること
  • ・テーピングやブレースの締め付けにより、皮膚の癒着が起こりやすくなること
  • ・内果後方の屈筋腱の癒着による底屈拘縮が起こりやすいこと

などの影響が生じます。その結果、回復不可能な距骨外旋アライメントの異常運動が定着してしまいます。

 

 このような悪循環に陥るのを防ぐには、受傷直後から睡眠時を含めて底屈位を許さないナイトスプリントの着用をおすすめします。足関節は一晩中90度に保たれて、損傷した靱帯への負担が少なく、腫れが早く引きます。軽い捻挫であれば、これだけで翌朝にはスタスタ歩けることもあります。ナイトスプリントをつけたままでアイシングもできますし、これを自分で外してシャワーを浴びることもできます。さらには、腫れが引いたあとも夜使うことで、背屈制限が絶対に起こらない状態を保てます。このナイトスプリントは背屈運動を制限しないため、底屈を完全に制動しつつ、スクワットなど背屈方向の運動を早期から開始できます。これを装着したままで背屈運動を繰り返し、内くるぶしの後ろを通る3本の腱の癒着を防ぎます。

 

■ 長引く不調から抜け出すためには

 

不運にも背屈制限や距骨外旋を伴う異常運動が起こってしまうと、足関節前方の詰まり感を含め様々な不調が生じやすくなります。不調から脱するには足関節の動きを完全に正常化する以外にありません。完全に正常な動きとは、“捻じれ”や“つまり”の一切ないスムーズな動きを言います。見かけ上の可動域の角度ではなく、骨どうしが、まったくスムーズに滑り合う状態を意味しています。

 

これが達成されると、痛み、締め付け感、不安定感が解消されます。リアライン・ソックスは足関節を正常な動きへと誘導するため、足関節捻挫後の不調や再発予防に最適です。

■ 筆者・セミナーご紹介

筆者:蒲田和芳

・広島国際大学総合リハビリテーション学部 リハビリテーション学科 教授

・株式会社GLAB(ジーラボ) 代表取締役

・一般社団法人日本健康予防医学会 副理事長

・株式会社リベラシオン 代表取締役

 

セミナーご紹介:蒲田和芳が講師を務める~全身の関節疾患の治療法を学ぶためのセミナーシリーズ~CSPT2018 クリニカルスポーツ理学療法セミナーの受講者お申込み受付中です。

https://realine.info/seminar/cspt

 

長期間の「拘縮」や「可動域制限」に対しても、確実に可動性を回復させるための徒手療法技術ISR(組織間リリース®)セミナー2018も受講者お申込み受付中です。

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■ 関節疾病の治療と進行予防のスペシャリストになるためのサイト

 

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関節疾病を解決へ導くためには、一時的な症状改善ではなく、根本から治療が必要です。そして、効果を長続きさせること、再発させない状態へと戻すことが重要です。

関節疾患の原因へ根本から働きかける治療理論・メソッドは、足関節から膝、股関節、胸郭、肩、肘などほとんど全身の関節を対象としています。ほぼすべての関節の悩みに、この治療理論を適用することができます。

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足関節捻挫後の不調

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