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老化に関連する酵素 骨粗鬆症と関係

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骨粗鬆症は、破骨細胞による「骨吸収」と、骨芽細胞による「骨形成」を相互に繰り返し、骨が入れ替わる「リモデリング」のバランスが崩れ、骨形成が骨吸収の速度に追いつかなくなり、骨量が減ってしまう状態だ。

骨量は、20歳がピークで特に女性では、閉経を迎える50歳代頃から1年に約2%のペースで減少していくと言われている。

 

今回、熊本大大学院生命科学研究部の吉澤達也准教授、山縣和也教授らの研究グループは、老化に関連する酵素「サーチュイン(SIRT)7」が、骨形成に関連するメカニズムを解明した。

▶︎ 骨形成に必須の遺伝子の働きを活性化する新しいメカニズムの発見〜骨形成低下に伴う骨粗鬆症の新たな治療薬開発に道〜

 

サーチュインとは、老化やストレス応答、がんや細胞の増殖・分化に関わる重要な酵素のことで、哺乳類では、SIRT1〜SIRT7の7種類存在する。この一つであるSIRT7に着目。遺伝子操作でSIRT7を欠損させたマウスでは、骨量の減少、骨形成および骨芽細胞数の低下が確認された。また、若いマウスと高齢なマウスを比較すると、このSIRT7が高齢なマウスほど、骨組織内から減少しており、骨粗鬆症の原因の一つである可能性が示唆された。

 

細胞の分化に関わる酵素である事から、骨芽細胞の分化、機能にも影響し、通常の骨芽細胞に比べて骨様の塊形成も著しく抑制される事も確認された。骨粗鬆症の治療薬は、骨吸収の働きを抑えるものが多く、骨形成の働きを促進させるものが少なかった。その為、今回の研究結果を利用した、骨形成を促進させる治療薬の開発に期待がかかっている。

 

この研究は、英国のNature 系科学誌「Nature Communications」オンライン版に掲載されている。

老化に関連する酵素 骨粗鬆症と関係

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