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【評価・レポート・治療・睡眠について】リハビリ学生の実習体験談

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全ての実習生・実習指導者に向けて

新年度を迎え、新3年生、新4年生にとっては評価実習、臨床実習が始まります。最近は実習の在り方が見直されてきており、少しずつ全国で統一した質の担保に向けた取り組みがなされています。

 

さて、そんな実習についてですが、実習生にとって、あるいは実習生を見るバイザーにとって知りたい部分として声の多かった「実習生の体験談」についてまとめました。

 

まだ昨年実習を終えた新人療法士の体験談であるため、"新"実習生にとっては『先輩の意見として』、バイザーにとっては『実習生の意見』として、参考になれば幸いです。

 

3人の体験談 -「評価」「レポート」「治療」「睡眠」について

1人目:東京都内大学 男性

①評価
 
大学ではボトムアップの評価法を学びます。一方、時間の限られている臨床ではトップダウン法が多く行われています。実習ではそのギャップに戸惑いました。
実習生は現職の先生方に比べて一人の患者さんに対して多くの時間を割くことができます。
時間があるという「実習生の強み」を活かしたいと思い、トップダウンとボトムアップの両側面から評価し、それらを擦り合わせる評価を行おうと考えました。
学生は経験や知識が未熟です。自分が持っている強みを最大限に活用し有意義な実習にしていくことが重要だと思います。

 

②レジュメ・レポート類
レジュメ作成は症例への理解を深めます。レジュメはレポートに記載した膨大なデータから重要な点だけを抜き取り、読み手に伝えなければいけません。
スペースが限られており、かつ分かりやすくすることを考慮し、図や表を多用しました。動作分析はシェーマや写真、問題点はICF図、統合と解釈はロジックツリーにするなど工夫し、特に伝えたい内容は口頭で補足を加えました。
私は、一見して読みやすいと思われることを目標にしましたが、実習地やSVの先生によって考え方は様々ですので、まずは先生方の指示に従ってください。

 

 ③治療
「病気でなく人を診る」とよく耳にします。患者さんの疾患や病態、生活などは一人一人異なるため、治療法も患者さんによって様々です。
実習で、杖なしで歩行可能にも関わらず杖を使用したいという方がいました。
長年杖を使用していたため安心するとのことでした。それまではとにかく高レベルのADL獲得を目標に定め治療を立案していましたが、患者さんが望まない治療は空理空論になると学びました。
治療考案の際に教科書的な先入観にとらわれることがあります。その時は患者さんと話してニーズを捉えることが一番のヒントになると思います。

 

④睡眠時間
実習の体験談を友人と話す時、「どれだけ寝なかったか」が話題になることがよくあります。
臨床実習は患者さんと接することが出来る貴重な機会です。睡眠時間を減らし実習に集中できないのは勿体ないですし、寝ぼけ眼では思わぬ事故に繋がる可能性があります。
私はいかに睡眠時間を確保するかを毎日考えていました。最低でも4時間は眠ろうと決め、23時頃に就寝し3時頃に起床し課題に取り組みました。
睡眠時間を確保する方法は様々だと思います。実習を終えたときに、「どれだけ寝られたか」を語り合えたら理想だと思います。

 

 2人目:埼玉県内大学 女性

①評価
大学では個々の評価方法(MMTやROM-T、整形外科テストやBRSなど)は授業でも多く学びましたが、実習ではそのような決まった評価だけではなく、その患者様に適した評価を自分で考えることの難しさを感じました。
特に、クリニックでの実習では病院と比較して治療時間が短く、評価をするにしても評価からより原因をしぼるための評価を短時間で判断して行い、症状の原因を見つけ出さなければなりませんでした。
そのため、私は大学で学んだ評価をまずベースとしてしっかり覚え、正確に評価出来るよう何度も練習をかさねるとともに、それだけにとらわれずに評価できるよう、先生方が初診の患者様をどのように評価するのかをたくさん見させて頂きました。

 

 ②レジュメ・レポート類
私は文章を書く事やまとめることに対して苦手意識があったため、頭では理解していても文章にすることが大変でした。
そこで、文書をただ並べるのではなく、どの内容をどの順番で書くかを統一して、まず全て考えられる事をレポートに書きました。
その次に、今回担当した患者様に対して上げた問題点についての事柄を軸として、内容の的をしぼり、まとめました。

 

 ③治療
評価と比べると、問題点があげられその原因が考察できていればさほど難しくは感じませんでした。
しかし、原因があいまいな状態だと、一度考えた治療を継続して患者様に行う事に不安を感じる事はありました。
そのときは、治療しながら評価、つまり治療をして患者様がどのように変化したかまたはしなかったかを評価することで、より患者様にあった治療に近づき、効果も見られるのではないかと思います。
ですが治療をよりよく進めるために、一番は患者様とコミュニケーションをとる事だと思います。
その中で患者様自身からの治療をしての感じ方をしっかり受け止め、そして今なぜこの治療を行っているのか患者様に伝えて信頼関係を築いていくことが必要だと思います。

 

 ④睡眠時間
私の実習中の睡眠時間は、実習施設にもよりますが最短0時間、最長6時間というようにとても幅がありました。
病院では1症例のみの担当だったことや、臨床実習ではレポートのやり方に慣れていた事もあり、比較的睡眠はとれていました。
しかしクリニックでは休みが週末だけで勉強会が頻繁にあったり、担当が3〜4症例で患者様も頻繁に来院してくださっていたこともあり、寝られない日が多くありました。
そうなると頭が働かない事はもちろん精神面でも辛くなってしまうため、最低限の睡眠時間は必要だと感じました。

 

3人目:奈良県内大学 男性

①評価
できないことで落ち込まず、何ができないのか?なぜできないのか?どうしたらできるのか?を考えて、先生に相談すれば必ず解決できると思います。
私自身はこれが最も重要だと感じましたので最初に書きます。能力の差は仕方ありませんが、努力の差で埋められます。

 

②レジュメ・レポート類
病院や先生によって方法は様々かと思いますが、量は多く、苦労する学生が多い部分だと思います。
睡眠不足もここで生じる実習生が多いと思います。ですので、家に帰ってから素早くレポートが書けることが、睡眠や自主学習などに時間を回すために重要になると思います。
自分に合った方法でいいと思いますが、私は2点のことを意識していました。
⑴とにかく現象を書くこと。統合と解釈は家に帰って、またはお昼休みに書いていました。
⑵見学はあらかじめどんなことを見たいか決めて見学に行くこと(先生にもお願いします)。
統合と解釈は帰宅してから参考書や論文見ながら行っていました。レポートを提出するためにレポートを書くのではなく、患者さんのために、自分のためにレポートを書ければ、いい実習になると思います。

 

 ③治療
治療はほとんどわかりません。良いのか悪いのかも。これは臨床の先生も同じかと思います。だから僕は多くの先生に相談していました。調べてわからないことは相談すればいいと思います。
患者さんのためを考えたら、一人で悩むより先生方に相談して、勉強して決めて行った方が良いはずです。学生の立場で一人で完璧なプログラムを立てるのは困難だと思いますので、ぜひ多くの意見を集めて臨んでください。

 

④睡眠時間 睡眠時間は集中力が切れるくらいなら絶対確保したほうがいいです。
病院での睡眠不足は絶対危険です。例えば連日徹夜でドライブなんてしないはずです。
不注意で人を引きかねません。病院でも同じです。不注意で不慮の事故を引き起こしてしまうことは十分にあります。
自分が無理だ…と思ったときは寝ましょう。昨日は限界でした、寝ました、すみませんでした。と言えば許してもらえるはずです(日頃からしっかり努力していれば…)。

 

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POST編集部まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

今回の3名の体験談から「積極的に調べる、聞く(相談する)」、「早い段階で環境に適応する準備をして自分のペースをつかむ(睡眠ペースなど)」、「レポート提出に囚われずにあくまで患者さんとの関わりを大事にする」これらが大事だと感じました。

 

自分自身に患者さんに何ができるか、何をしてあげられるかばかりを考え、気負いがちになりますが、残念ながら学生の段階ではその知識・技術を兼ね備えていないことが多いです。そのため、「患者さんから最大限に学ぶ」というスタンスで実習に臨むことをオススメします。

 

それらに全て共通する部分は、患者さん、バイザー、学生の中でのコミュニケーションです。「わかってくれているはず」というのは存在しないものと考え、一つ一つ糸を紡ぐようにしっかりとしたコミュニケーションを取ることが大事だと言えます。

 

【評価・レポート・治療・睡眠について】リハビリ学生の実習体験談

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