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自宅復帰は社会復帰?|文野 勝利先生

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宇都宮記念病院さんには非常に申し訳ないんですけど。今回、宇都宮記念病院で勉強会をしますという時に、栃木県民の方に嫌われるかもしれませんけど、栃木って聞いた時に「すごい田舎やな」と思ってたんですよ。すいません、栃木の方。

 

だだ宇都宮の駅に来ても、「全然田舎ちゃうし」とか、ネットで調べてみたら「宇都宮記念病院。何これクリスタルの塊やん」みたいな。むっちゃくちゃ綺麗な病院やん。僕からしたら「ちょっとこじんまりしたところでやるんかな」と思いきや、こんなとこでやんのってすごい思ったんですよね。先入観ってやっぱあかんなと思いましたね。

 

これ、「栃木 有名」って調べたんですけど、有名ですか? 宇都宮みんみんっていう。

 

これどこのラーメン屋か分かります?これってもう明らか「ここのラーメン屋しかない」っていうメニューじゃないですか。

 

これで何を言いたいかっていいますと。例えば「ラーメン屋さん今から経営します、自分が今住んでるところで経営します」ってなったら、その地域でしてる事業者ですよね。

 

宇都宮病院は大きい病院ですけど、宇都宮っていう地域に拠点を落としてますよね。でもなんかリハビリテーション職でくくると、病院で勤めてる人は地域じゃなくて、在宅で働いてる人が地域リハやっている人みたいな枠組みってないですか?

 

でもここの病院で勤めてる人も、宇都宮っていう地域なので「宇都宮の市民が今どんな現状なのか」とか、「宇都宮っていう地域には体操教室の拠点ってどれぐらいあるんかな」とか病院のセラピストでも知ってていいと思いませんか?

 

知ってたらあかんてことないじゃないですか。ましてや自宅復帰をされる、社会復帰をしていく際に、その人の健康寿命とかこれからの生活を考える上では、その先をしっかりと見ておきたくないですか、皆さんセラピストとして。

 

退院っていうところをきっかけに、「はい、さようなら。もうあとは知りません」っていうセラピストには多分なりたくないと思うんですよ。

 

でもやっぱり回復期とかは、自宅っていう環境に当てはめるっていう作業が退院支援だって思ってる節ってあると思うんです。自宅っていう箱の中。だから、自宅にはどんな段差があって、っていう自宅訪問っていうことでまた家に行かれると思うんですけど、その方って自宅でしか生活してないわけじゃないんですよね。

 

自宅っていうのは社会のコミュニティの一つの要素であって、その方が生活してるのは自宅を中心とした、周りのコミュニティの中でその人は社会生活をしてるんですよね。

 

もちろん自宅に帰っていただいて安全な生活を送っていただきたいんですけど、その周りの事って、病院で働いているセラピストがもっと知ってたら、逆にここの病院の中に入ってもっと品質高くなれへんかな。

 

この人自宅に帰った後にこういう生活が待ってるから、家の中の段差を超える練習とかにお風呂をまたぐ練習もちろん大切です。

 

病態としてもっともっとレベルが高い方であれば、その先に待ち受ける自宅を中心にする社会っていう場にもう少し目を向けてみても、病院のリハビリテーションってもっと品質上がれへんかなーって思うんですね。

 

病院のセラピストがそこの場に出ていって、そういう役割をするというのは、全然お門違いだと思います。ただ自分が担当してるご利用者さん患者さんが、その退院された先の地域社会っていう中でどういう生活をするのかっていうのはイメージしたくないですか?

 

でもなんとなくイメージしてるところって、自宅の中だけの生活何ですよね。すごく狭い範囲。ですから、今日きっかけに何か患者さんとコミュニケーション中身が変わったり、聞き取る中身が変わったり。

 

「そうやって言われてみたら、宇都宮の地域でどんな在宅の例えば事業者がいるか」とか。そもそも「訪問リハ誰がやってるんやろ、顔も全然つながったこともないし知らんわ。」とか。「その人たちがその付近の自宅の周りに体操教室あるんかな」とか。

 

でもこっち側から「運動してくださいね」とかいう掛け声するんですよ。運動できる場はそこにあるんかなとかっていう、環境適応されていくそっちの場の事をもっともっと知ることで病院のリハの質ってもっと高まるへんかなっていうのが、すごく思うんですね。

 

ですので、地域の事をもっともっと知るきっかけになってもらえたらすごく嬉しいなって思います。後は社会っていうのは本当に人間の共同生活ですし、組織的な営みだったり生活現実の世の中で訳されますけれども。

 

社会モデルの理解ってここに書きましたが、もう俺は皆さん社会の中で生活してるじゃないですか。どんな状況。、病気とか障害なろうとも社会生活を営んでいるという事実には変わりがないんですよね。

 

すなわちリハビリテーションにおいてはこの機能回復はもちろん、もうそれは PT の専門性ですから、 PT の個の機能回復はもちろん、ですけど、その人がどういう生活で活躍するんかって言う適応先の把握ってしておきたくないですか。

 

それをよりリアルにできればできるほど、今できる事って中身て変わってくると思うんですよ。その社会の場でも適応先っていうのを知る手段とか知るきっかけになっていただけたらと思います。

 

「自宅復帰を社会復帰」っていう風に捉えられてる方もいらっしゃいますが、自宅復帰は社会っていう全体を構成する一部なので、そこでの安心安全な生活は、もうこれ絶対的に大切ですけれど、その周りを取り囲む環境とかっていう因子にも、もう少し目を向けてみるのもいいんじゃないかなと思います。

 

地域包括ケアシステムっていうのは中学校単位って言われてます。中学校区っていう狭いコミュニティの単位の中に、その人の住まいがあって、介護も医療も受けれる状況で、さらにボランティアさんとか、自治会の人達に活動の参加をできる場所もあって、助け合いがなされてて。

 

全体をコーディネートしていてくださいね、これのまちづくりをしていきましょうね、っていうのが地域包括ケアシステムなんですね。

 

スプロール現象って聞いたことありますか?今、ドーナツ化していってるんですね。国はこういったコンパクトシティを作りたいんです。中に住まいも医療も介護も誘致して、ここにあればあるほど、この中に住んでる人たちが受けれる、社会資源って整うと思いません?整うし、受けやすくなるんですよね。

 

しかも人手が今後少なくなっていくって言われてる中では、コンパクトであればあるほど、移動距離が長かったら受けれないっていう障壁にもなりますから、できるだけコンパクトにしていきたいんですけど、コンパクトの中身は、例えば物価が高いとかいろんなものがあって、商業施設とか病院とかがこの中に入って来ずに、周りに乱立してるって言う問題があるんです。

 

行政はこの中に持って行きたいんやけど、立地とか建設が進んでるのはその周り。だから周りにまた住まいもどんどんどんどん引っ張られていって、住まいが引っ張られるから。そこにインフラが整っていくんですね。

 

結局誘導される導線っていうのはすごく広くなっちゃって、結局地域包括ケアシステムをやっていきたい、コンパクトにしていきたいのに、広がってしまっているという問題があります 。

 

文野 勝利先生プロフィール

略歴 H.17 医療法人美杉会 佐藤病院(急性期・外来・訪問リハを経験)
H.18 社会福祉法人慶生会(リハビリ特化型デイ、訪問看護ステーション、自費診療立ち上げ)・介護福祉士養成校での教
H.22 同法人リハ室室長(他法人のデイサービス、訪問看護の経営コンサルを務める)H.26 同法人メディカル事業次長・PT養成校で講師を務める
H.28 同法人メディカル事業部長
H.29 大阪市東成区リハビリテーション連絡会を立ち上げ代表を務める・大阪教育大学大学院健康科学専攻入学
現在に至る

自宅復帰は社会復帰?|文野 勝利先生

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