名古屋大学総合保健体育科学センターの秋間広教教授と中京大学の吉子彰人助教らの研究グループは早稲田大学との共同研究によって、自重負荷トレーニングとウォーキングにより糖尿病の危険因子の筋内脂胞を減少させることに成功した。
これまでの研究では、専用のトレーニングマシンを使い、高い運動負荷をかけることで高齢者の筋内脂肪を減らすことは報告されていたが、専門的な知識が必要であり、一般家庭で行うことは困難であった。そこで研究グループはウォーキングと自重負荷レジスタンストレーニングに着目し、筋内脂肪にどのような影響を及ぼすのか検証を実施。
研究方法は、2014-2015年にかけて行った運動教室に参加した地域在住高齢者64名を対象に実験を実施。ウォーキングのみ実施した群(33名・平均年齢72歳)とウォーキングと自重負荷レジスタンストレーニングをした群(31名・平均年齢73歳)に分けて、週2〜3回の頻度で10週間実施し、筋内脂肪を定量化した。
その結果、両群ともに筋内脂肪が減少し、とくにウォーキングと自重負荷レジスタンストレーニング群の方が優位に筋内脂肪を減少させることが判明された。今回のトレーニングは特別な機器を使うことなく、自宅にいながら糖尿病の危険因子を減らし、高齢者の健康の維持、増進に繋がるものと考えられる。
手軽な運動でも糖尿病の危険因子である筋内脂肪を減らせることを解明!